検索窓
今日:4 hit、昨日:11 hit、合計:37,533 hit

第六章53_蓄積する不安 ページ6

その事実に度肝を抜かれた様子のジャック君。


ジャック「ヴィル先輩やジャミル先輩まで!?」
ルーク「そしてグリムくんを助けようとした1年生たちが、深手を負ってしまった」
ジャック「!!アイツら、無茶しやがって……」


一瞬視線を巡らせ、頭をガシガシと掻くジャック君。この場にいないエース君達がけがをしたのだと瞬時に悟ったのだろう。彼らの安否を憂惧しているのが目に分かる。


ルーク「私は副寮長の務めを果たすため、1度寮に戻らなくてはいけないが……。ムシュー・タフガイ。Aくんと共に医務室へ赴き、彼らの様子を見てきてくれないだろうか?」
ラギー「ああ、丁度いいや。ついでに医務室にウチの寮生が担ぎ込まれてないか確認してきて、ジャックくん」

ジャック「ッス。確認したらすぐに連絡いれます。行くぞ、A」
『……うん』



ジャック君にトンと背を押され、彼と一緒に私は医務室へ歩き出す。先ほどの襲撃のせいかジャック君と同様、規則を無視しバタバタと走り回る生徒たち。慌ただしく寮へ戻る生徒、1人が不安だから友達を探す生徒、部類は様々だった。


『………っ』
ジャック「!A!」


ズキッと足に痛みが走り、前に倒れかけるがジャック君に受け止められた。足元を見下ろすと膝部分に血が出てるのが見えた。歩き回って擦り傷が大きく開いちゃったのかな。
痛みって自覚するとじんわりと広がるって言うけど、本当にその通りだ。


ジャック「歩けるか?何なら担いでやっても」
『ううん、大丈夫。支えてくれてありがとう』


心許ない様子のジャック君にそう言い、再び歩き出す。数歩差を開いて歩いていたジャック君がピッタリと隣を歩いてくる。歩幅が違うから歩きづらいだろうに、心配してくれているんだろう。


医務室に向かう中、渡り廊下からあちこちに煙が上がっているのが見える。頭上を見上げてみれば、透明な膜に空洞のようなものが空いていた。
こんな大惨事を引き起こして、奴等はどうするつもりなんだろうか。攫われた皆を、グリムを、どうするつもりなんだろう。



不安ばかりが自分の胸に蓄積されていった。

第六章54_混雑する保健室→←第六章52_痛み出す傷



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (274 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
173人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

時間の止まったリス - 6章の新しいお話が解禁になりましたね! 今月末にも新しい章が解禁になります(☜何の話するか忘れた)。5章のお話にあったように、就職活動お疲れ様です。次の更新まで首を長くして、でも適度に(語彙力がしにました)待ってます! (2022年3月4日 14時) (レス) id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ほんぽんさん» あけましておめでとうございます!ここまで読んでくださり、ありがとうございます!新年が始まり、作者自身も忙しくなり更新が出来ない時期が度々出てくるかもしれませんが、頑張って続けていきたいと考えています。これからも応援をよろしくお願いいたします! (2022年1月3日 23時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ほんぽん - あけましておめでとうございます☀️ 昨日から新年が始まりましたね。作者様も、今年もお体に気をつけてお話を作ってくれたら嬉しいです。応援してます! (2022年1月2日 9時) (レス) @page8 id: 36b84f5ade (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ALICE | 作成日時:2021年12月30日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。