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第六章87_アイツとの関係 ページ40

レオナ「魔法道具製造を先駆けた財閥として歴史もかなり古い。どこかに属する必要もない位資産を有している。なのに、オリンポス社じゃなく態々『S.T.Y.X.』であるシュラウド家に属しているのが謎だ。財閥の大きさに関してはティファニー家の方が上の筈だろ」


ジャミルに話しながら、目を伏せ顎に手を置き、勘案を続けるレオナ。
その時、噂の種であるメラリーが会議室に入って来た。

2人は彼女の姿を見て、警戒心を露わにする。


メラリー「被検体B、被検体D。検査の時間よ、抵抗せずについてきて」


高圧的に命令する彼女に渋る様子を見せず、「お手柔らかに頼むぜ」とけだるそうに返答し、彼女とカローンの背についていく。


ジャミル「……一つ、質問してもいいか」
メラリー「どうぞ」
ジャミル「先にいった3人はどこに行ったんだ」
メラリー「検査が終わったから、ヒーリングルームへ移送したわ。約1名除いて疲労してるから眠ってるんじゃないのかしら」


ジャミルの問いに対し、温情の欠片もなく淡々と返答するメラリー。しかし特に苛立った様子も見せず、「そうか」と呟いてその会話は終了した。
すると、黙って後ろについてきていたレオナが「俺からも質問いいか、お嬢様よぉ」と被検体とは思えないほど高圧的に尋ねる。



メラリー「いいですよ、簡単なことなら」
レオナ「お前……アイツとどんな関係なんだ」
メラリー「アイツ?」
レオナ「わかってる癖して白を切るんだな」



レオナがハッと自嘲する隣でヒヤヒヤとしながらジャミルは会話を聞く。
後ろのレオナの言葉にはぁと溜息を吐き、一度立ち止まった。


メラリー「それ知って、メリットあるの?」
レオナ「あるかどうか俺が判断する」
メラリー「はぁー、俺様何様レオナ・キングスカラー様ね。質問は簡単な事だけっていったはずだけど」


メラリーが抑えの効いた声で言うと、周りのカローンが持っていたオールを構えた。それを横目で見たレオナは面倒臭そうに両手をあげ、「わかった、わかった」と投げやりに返答した。



レオナ「質問は撤回する。俺達は哀れでか弱い被検体なんだ。あんまり牙をむいてくれるなよ」
メラリー「哀れでか弱い奴等がオーバーブロットするわけないでしょ…はぁ、次は無いわ」



メラリーが軽く手を挙げると、オールを構えたカローンはそれを降ろした。



メラリー「質問コーナー終了。黙ってついてきて」



それ以上語る必要も二とメラリーは背を向け歩き出し、2人も諾々と続いた。

第六章88_検査開始→←第六章86_守秘義務の矛盾



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時間の止まったリス - 6章の新しいお話が解禁になりましたね! 今月末にも新しい章が解禁になります(☜何の話するか忘れた)。5章のお話にあったように、就職活動お疲れ様です。次の更新まで首を長くして、でも適度に(語彙力がしにました)待ってます! (2022年3月4日 14時) (レス) id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ほんぽんさん» あけましておめでとうございます!ここまで読んでくださり、ありがとうございます!新年が始まり、作者自身も忙しくなり更新が出来ない時期が度々出てくるかもしれませんが、頑張って続けていきたいと考えています。これからも応援をよろしくお願いいたします! (2022年1月3日 23時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ほんぽん - あけましておめでとうございます☀️ 昨日から新年が始まりましたね。作者様も、今年もお体に気をつけてお話を作ってくれたら嬉しいです。応援してます! (2022年1月2日 9時) (レス) @page8 id: 36b84f5ade (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ALICE | 作成日時:2021年12月30日 22時

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