第六章76_嘆きの島へアン・ルー! ページ29
ルーク「ああ、しかしご先祖様はこのことを知れば顔をしかめるかもしれないな。先生に怒られるようなことに使うな、と。だが、これも美と愛のため。ご先祖様、どうかお許しください……」
悲劇の主人公のように、胸に手を当て懺悔するルーク先輩。芝居臭いけど、さまになるんだよな、と考えているとその懺悔は数秒で終わった。早っ、1分も経ってない。
ルーク「……さ!作戦会議も済んだところで、抜け出したことがバレないうちにすぐ出発しよう!」
切り替えの早い先輩を見て、思わず笑ってしまう。
その様子に小首をかしげて「なにを笑っているんだい?」と尋ねてきた。
エペル「いえ。ルークサンってすごく変わってるし、実家も凄いお家っぽいのに……先生に隠れて悪いことするときは、普通にコソコソするんだ……と思っただけです」
ルーク「我が校の教師陣が降らせる裁きの雷を恐れない生徒がいるかい?私もナイトレイブンカレッジに所属するただの問題児の1人だということさ」
裁きの雷、という点は大げさかと思ったがその通りだ。
私も問題児だなぁ。
ルーク「そうだ、君達も身体を冷やさないよう出発前に着替えたほうがいい。箒で長時間飛ぶなら、寮服がおすすめさ。ナイトレイブンカレッジの寮服は……特別な魔法の糸が織り込まれていて、放熱にも防寒にも優れているからね。
特別にAくんにも、我が寮の礼装をお貸ししよう。それ!」
彼のマジカルペンが振るわれた瞬間、光が私達を包み、一瞬で制服から寮服へ変化した。
着物みたいだからデザインだから薄い生地と思ったらかなり上質で分厚い、制服とは比べ物にならない程暖かかった。
『背筋が伸びるなぁ…』
ルーク「我が女王ヴィルの御前へ向かうんだ。正装でなくてはね。エペルくん、Aくん。飛行ペースは合わせてあげられないよ。ついてこられるかな?」
エペル「ナメでもらえば困るや。飛行術ならマジフト部の1年生で1番の腕前って、レオナサンのお墨付きなんだ!絶対おぐれだりさねはんで!」
『今度こそ振り落とされないようにしっかりとしがみついてます!』
ルーク「マーベラス!それでこそポムフィオーレ寮生、そしてトリックスターだ!」
自分の荷物を持ち、ルーク先輩が箒に跨る。エペル君もそれに倣い、私は彼の後ろに乗った。
ルーク「さあ、嘆きの島へ向けて……アン・ルー!」
高らかな号令が森に響く。そして私達は夜空へ飛び上がった。
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時間の止まったリス - 6章の新しいお話が解禁になりましたね! 今月末にも新しい章が解禁になります(☜何の話するか忘れた)。5章のお話にあったように、就職活動お疲れ様です。次の更新まで首を長くして、でも適度に(語彙力がしにました)待ってます! (2022年3月4日 14時) (レス) id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ほんぽんさん» あけましておめでとうございます!ここまで読んでくださり、ありがとうございます!新年が始まり、作者自身も忙しくなり更新が出来ない時期が度々出てくるかもしれませんが、頑張って続けていきたいと考えています。これからも応援をよろしくお願いいたします! (2022年1月3日 23時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ほんぽん - あけましておめでとうございます☀️ 昨日から新年が始まりましたね。作者様も、今年もお体に気をつけてお話を作ってくれたら嬉しいです。応援してます! (2022年1月2日 9時) (レス) @page8 id: 36b84f5ade (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ALICE | 作成日時:2021年12月30日 22時