〈ツイステ〉 ねじれた世界の御伽噺 第二十幕

第六章8＿危険なモンスター？ ページ9

クロウリー「明日も引き続き総合文化祭が開催されます。他者に危害を加える危険なモンスターを野放しにしておくわけにはいきません」

デュース「危険なモンスターって！グリムですよ！？」

クロウリー「私だってグリムくんを疑いたくはありません。モンスターとはいえ、彼を信じて学園に迎え入れたんですから」




「しかし」、と言葉を切り、学園長は私の目を見て断言する。



クロウリー「彼の状態によっては、もうこの学園にはいられなくなるでしょう」
エース「え、それって……」



その言葉の意味を悟り、３人で目を見開く。
しかし、私達の心情を遮った学園長は立ち上がった。




クロウリー「とにかく。すぐに教員と寮長を集め、一刻も早くグリムくんを捕獲しなくては」

デュース「そ、そんな！」

クロウリー「私はこれで失礼します。Aくんはそちらにいる白い貴婦人と共に、しっかり戸締りをすること。ハーツラビュルの2人は、寮に戻るように！」

『ま、待ってください！！それだけ聞いて、納得なんて出来るはずありません！！』




学園にいられなくなる、つまり追放されるかもしれない。
大魔法士を夢見てきた彼の心は、あの瞳は…まったく嘘はついていない。

それなのに、その夢を、こんな形で絶たれるなんて…納得が出来ない。


クロウリー「……そろそろ“彼ら”が動き出す頃かもしれませんね」



私への返答ではなく学園長は一人不穏な呟きを残す。
そのことを問い質そうとしたら、さらっと流され、「忙しい忙しい」とぼやきながら、談話室を出ていった。

バタンと玄関の扉が閉まり、私は再びソファに沈み込む。




“彼ら”と学園長は呟いた。
動き出す頃ってどういうこと？学園長が危険視している人たちが来るかもしれないの？

グリムの事でただでさえ、頭がいっぱいなのに…これ以上不安要素を抱えないでほしい。


エース「状態によっちゃ学園にいられなくなるって……グリムが、危険なモンスターとして退治されちゃうかもってこと？」

デュース「グリムに限って……いや、確かに意地汚いし我慢はきかないし自分勝手な所はある。でも理由なくAや他の生徒を傷つけるような真似、あいつはしない…………しないはず。たぶん……きっと……」

エース「こーら、逆に不安を煽るようなこと言うなって」

『滅茶苦茶曖昧だよ、デュース君』


言いたい気持ちは分かるが、フォローが痛々しい…。

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