第六章 2＿貴方は誰？ ページ3
__ブクブクッ
また、だ。
また＿＿＿水の中にいる。
そっと瞼を開くと、すぐに目が染みる。
ばっと目を閉ざすと、ボゴッと口から酸素が抜けていく。
すっと目を細めると、頭上に太陽の日差しが見えた。
陸らしき影もうっすら見える。
泳げない体に鞭を打ち、沈みゆく体を必死で浮かび上がらせようと、手を動かす。
あと少し、あと少しで水面へ＿＿＿と、言う所で耐えきれなかった空気が漏れる。
徐々に抜け行く意識と共に、日差しに伸びる手が下がっていく、
その時、伸びていたその水面から小さな手が私の手を掴んで、沈みゆく体を引き上げてくれた。
『ぷはっ！？……はぁ、はぁ……』
待ち望んだ空気を目いっぱい吸い込み、陸地に上がる。
荒い息の中、顔を上げると…そこには、緑が広がっていた。
どこかの森＿＿その中にある池に私は沈んでいたみたいだ。
そして、その緑の中、私を引き上げたであろう人物は＿＿＿“少女”だった。
白銀の長い髪に、私と同じ“蒼い瞳”をした10歳くらいの少女だ。
『…あ、あの…』
？『お姉ちゃんは、妖精さん？』
『え？』
？『ウィンディーネのお仲間さん？泳ぎに失敗したの？』
『ウィ、ウィンディーネって………』
この子、一体誰？
ウィンディーネのお仲間さんって言っている事は、この子も妖精か精霊？
『貴方は一体…ゴホッ、ゴホッ！』
水が器官に入ってしまい、勢いよく蒸せた。
その様子を見た目の前の少女は、心配そうな顔を浮かべる。
？『どこかいたいの？どこか苦しいの？』
『っ…だ、だいじょう…』
？『そうだっ！森の薬草があるの、とってくるね』
『えっ、ちょ…』
ここがどこなのと、貴方が誰なのかを聞きたかったのに、その少女は背を向けて走っていった。言葉通り、薬草を取りに向かうのだろう。
だけど、咽ただけで体には異常はない。
そのことを伝える為、少女を追いかけようと駆け出した＿＿＿＿時、
『待って……まっ……！？』
踏み込んだ地面が柔らかい。
そのまま足から体を沈んでいく。
底なし沼に沈むようにズブズブと私の身体が暗い中に沈む。
森の影へ走っていった少女に手を伸ばしたが＿＿＿その少女は振り向くこともなく、また私も沈むことに耐えれる事はなかった、
待って
貴方は……誰なの…?
見えなくなった水面を、私はいつまでも見続けた。
第六章3＿こっちを見て→←第六章 1＿〜In a dream 〜〈冥府の番人〉
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ナギサ(プロフ) - あ"〜……本当に主様やってくれますね。自分好きな言葉をいつもいつも小説に組み込んでくれている…超能力者ですか？？？ (11月25日 16時) (
レス) @page21 id: f18589988d (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ふわなさん» お返事おくれてしまい申し訳ありません！誤字がちょびちょび目立ってしまいますが、楽しんでいただけたら嬉しいです！一時期更新停止いたしますが、今後ともこの作品をよろしくお願いいたします！ (2021年11月18日 23時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ふわなさん» お返事おくれてしまい申し訳ありません！誤字がちょびちょび目立ってしまいますが、楽しんでいただけたら嬉しいです！一時期更新停止いたしますが、今後ともこの作品をよろしくお願いいたします！ (2021年11月18日 23時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - 初コメ失礼します！素敵な作品に合うことができました・・・！お話もかなり続いていてすごいです！文もなんだか頭に入りやすくて！大きな誤字も無いので少しの誤字なら大丈夫ですよ！応援しています！好きなアニメの要素があって好きです！頑張ってください！！ (2021年11月2日 18時) (レス) @page40 id: 7054f2498a (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - モモカ🌼さん» ありがとうございます！かなり長いシリーズですのに、それを毎日見て頂けてとても光栄です！今後とも更新頑張りますのでよろしくお願いいたします！ (2021年10月13日 21時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ALICE | 作成日時：2021年9月24日 16時
