第三章 2_自分の命 ページ17
__________オンボロ寮 自分の部屋
嵐の様な夢を見た。
『海の夢……?』
目が覚めて、周りを見渡し、漸く自身の部屋だと理解する。
サバンナの次は海の夢…これも何かの暗示?
『…あれ?グリム君?』
ふと、隣を見たが、グリム君がいない事に気付く。
壁沿いの机を見ると、グリム君が何か呟きながらジッとノートを見ていた。
『おはよう、グリム君…ひょっとして一夜漬けで勉強?』
グリム「ふなっ!いきなり声かけるんじゃねーんだゾ。ビックリして覚えたこと忘れちまうじゃねーか」
『……あ、ご、ごめんね』
勉強大嫌いなグリム君が……一夜漬けで勉強?
クルーウェル先生やトレイン先生から、危ないと言われていても……おかしいな。
というか、そのノート、私のでもない気が…グリム君がノートとる訳無いし。
グリム「今日は期末テスト最終日なんだゾ!
オレ様たちは2人で1人なんだから足引っ張るんじゃねーぞ、A!」
『2人で1人だけど…テストは別々だよ?』
グリム「うっ…そ、そんな事しってるんだゾ!」
本当にそうか?と思いつつ、私はベッドから降りて、制服に着替える。
グリム君は未だにノートとにらめっこだ。
『よし、じゃあグリム君、行こうか。今日は大食堂でご飯にしよう』
グリム「おう!…あ、A!クルーウェルせんせーから貰った薬、飲むんだゾ!」
『…あ、そうだ』
グリム君に言われ、制服のポケットに入っている瓶を取り出し、錠剤2つを飲み干す。
…独特の匂いがするのは慣れだ。
レオナ先輩のオーバーブロット事件から数週間、漸く私の検査も一通り終わり、結果が出たのだが…やはり、今の段階で心臓に異常はない。
つまり後遺症ではないという事が分かった。
そこで考えられたのが、妖精と精霊による力の暴走に人間である私の体がついていけていないから、内部欠陥が陥って、心臓が痛みだす…というものだった。
『…………よし、行こうか』
その為、妖精・精霊の魔力を抑える薬を学園長がクルーウェル先生に依頼してくれた。
しかもタダで…アロマといい、こんな貰って申し訳ない。
私はノートと睨めっこするグリム君を抱え、鞄を持ち、オンボロ寮を出た。
____でも、時々思う。
私の命は……あとどれくらいなのだろう、と。
*******
________教室
期末試験最終日。
最後のテストはクルーウェル先生が試験監督をする魔法薬学だ。
筆記の音が教室に響く。
第三章 3_テスト終了→←第三章 1_〜In a dream〜〈深海の商人〉
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ALICE(プロフ) - 麗さん» 来てと着てに関する誤字多いですよね……本当に申し訳ありません!ご指摘下さりありがとうございます! (2021年2月28日 2時) (レス) id: a3dd506789 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 40ページ 成長期着てない ではなく 来てない ではないでしょうか?? (2021年2月26日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - モブ猫さん» 修正箇所の指摘ありがとうございました!所々修正していますが、まだ未修正の部分があるかもしれません。ご了承のほどお願いします!これからも宜しくお願いします! (2021年1月3日 21時) (レス) id: 3f68f499ff (このIDを非表示/違反報告)
モブ猫 - 初コメ御許し下さい荒野の反逆者の話の中で何話かの話の中で一部キャラの名前が可笑しいです例えば99話目のジャックがジャオナになってますよ〜話の内容は面白くて好きなので続き頑張って下さい それでは失礼しました (2020年11月23日 2時) (レス) id: 54334c59bf (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - 甲櫻さん» ご指摘ありがとうございます!誤字脱字が目立ちますので、細かい指摘はとても助かります!修正いたしました! (2020年9月24日 17時) (レス) id: 8355c0cb19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ALICE | 作成日時:2020年7月20日 18時