第五章 197＿救ったもの ジェイドSIDE ページ5
ジェイド「以前から理解していましたが、Aさんは本当に愚かでおバカなんですね」
『急に何ですか』
注文品であるアイスティーを彼女の前に置き、そう切り出した。
目を丸くしている彼女に対して、溜息を吐くしかない。
思い切りが凄い筈なのに、自分の事になるとどうして後ろ向きになるのやら。
ジェイド「フロイドから話を聞きましたので」
『パッと話しますね、フロイド先輩…。別にいいですけど』
ジェイド「あの事件…いえ、これまで起きた事件をすべてあなたのせいにする愚か者なんていないでしょう。いたらいたで、僕とフロイドが海の底の底まで引きずり落してやりますよ。
泣いて謝ろうが、息が出来なくなろうが、苦しみ藻掻く姿を永遠に晒してもらいましょう」
『いや物騒』
かなり引き攣った表情をして、僕から数センチ離れていった。
本当に冗談なのだが。
『……気にしすぎ、だと思っているんです。
だけど………私はある意味、異分子なのでその確率が高いのかなって』
ジェイド「異分子、ね」
どういう意味の異分子なのだろうか。
この学園で唯一の女子であることか、はたまた魔法が使えないということか。
ジェイド「私はあなたに感謝していますよ」
『それは…アズール先輩をオーバーブロットから戻したから…』
ジェイド「それもありますが、貴女はアズールの心を助けてくれたんです。
我々双子でも取り戻すことが出来なかった。彼の心を」
『アズール先輩の、心？』
いつだって努力家だったアズール。
弱音も泣き言も押し殺して、気丈にふるまい続けて、強い自分であり続けた。
私たちはそんな彼の弱みもすべて知っている。
だが、それを取り除くことは完全にできなかった。
それは彼自身が隠そうとしていたものであり、僕たちにも触れられたくなかったからでしょう。
ジェイド「…アズールはいつも誰かと戦っているようでした。
その相手は過去に彼をいじめた存在でも、学園にはびこる愚かな稚魚達でもない。
アズール・アーシェングロットという自分と戦い続けていたんだと思います」
その勝負は決して勝敗はつかないものだっただろう。
自分の心と、弱さと向き合うことは早々できる事じゃない。
次第にその心は、彼のユニーク魔法を使う足枷となっていただろう。
第五章 198＿頑張ってくださいね ジェイドSIDE→←第五章 196＿一名様、来店 ジェイドSIDE
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ALICE(プロフ) - ??ただのアニメ好き★さん» ありがとうございます！！もう少しでオリジナルから本編へいけそうです！今後とも応援よろしくお願いします！！ (2021年6月6日 21時) (
レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
??ただのアニメ好き★(プロフ) - 本当に毎度毎度御話が素敵で面白いです！裏側から静かに静かに応援しています！体調にお気をつけて頑張ってください！ (2021年6月6日 8時) (レス) id: 07e5d6fa1a (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ねぎ。さん» ありがとうございます！！就活事態もまだまだ不安だらけでこちらの方に作品を投稿できるか不安になりつつありますが、なるべく頑張ります！今後ともよろしくお願いします！ (2021年5月27日 15時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - 竜胆の瞳さん» すぐに返信ができずすいません！そのように褒めていただいて光栄です！全然更新が出来ておらず申し訳ありません。今後ともこの作品のことをお願いします！ (2021年5月27日 15時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ねぎ。(プロフ) - 応援しています！！就職活動に負けないでください！！いつでも待ってます！！ (2021年5月15日 0時) (レス) id: 3e04e97b77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ALICE | 作成日時：2021年4月12日 0時
