第五章 213_棘のみの言葉 ページ22
ヴィル「急に黙るわね」
『喋らないでって貴女が言ったんでしょう』
ヴィル「できたわよ」
どうしてこの学園には人の話を聞かない人ばかりなのだろうか。
溜息を飲み込み、目の前の鏡に目を向けた。
『…おぉ』
ヴィル「間抜けな声ね」
さっきまで雑に一つでくくっていた髪は、綺麗なお団子にされていた。
前よりは伸びはしたけど、ここまで綺麗に作れるとは…小さく編み込みもされている。
ヴィル「アタシがあげたシャンプーリンスの効果か、多少は艶が戻っているわね。ヘアオイルと一緒に毎日使いなさい」
『よく私の髪でお団子なんて作れましたね…』
ヴィル「当然よ。このアタシがしたんだから。普段から髪を解いてさえいれば、アンタでも出来るわ」
『へぇー……。あの、えっと…何で私の髪を?』
部屋に連れてくる前と後で、全然雰囲気が違う。
疑問気に私が聞くと、心底くだらないという顔をして溜息を吐かれた。
…美人って、ただの溜息でも絵になるんだなぁ。
ヴィル「アンタのボサボサな見た目を見て、怒る気も失せたのよ」
『辛辣すぎる』
もはや悪口。説教よりもショックなんだが。
すると、ヴィル先輩は私の顎を掴んで、顔をあげさせた。
ヴィル「髪はボサボサで、なんか花や草がついてたし」
『あ…それは植物園で妖精たちが…』
ヴィル「目元赤い。しかもゴシゴシとこすったような痕が目立つ。無理やりぬぐうのは肌に対して大ダメージ与えているのと一緒なのよ」
『…す、すいません』
ヴィル「朝はまぁまぁのメイクをしていたのに、全部崩れて最悪。女としての気品0。原石じゃなくて岩石よ」
『が、岩石…』
何だろう…美人に言われるからズバズバと心に刺さる。
女としてのプライドとかはないけど、何かが崩れる……辛っ。
ヴィル「で?散々練習をサボって、答えは見つかったわけ?」
『……答えは、無いですね。結局は何も解決してません』
ヴィル「ふん。限りある時間を無駄に過ごしていたようね」
『無駄、という訳ではなかったです。少なくとも…今までの事は』
あの子から聞かされた言葉を聞いて、今までの私の行動は間違っていたのか…。
自問自答を繰り返した。自分を責めた。
けど、それはきっと…考えちゃダメな事だ。
第五章 214_図々しいのが取り柄→←第五章 212_現状維持では駄目
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ALICE(プロフ) - ??ただのアニメ好き★さん» ありがとうございます!!もう少しでオリジナルから本編へいけそうです!今後とも応援よろしくお願いします!! (2021年6月6日 21時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
??ただのアニメ好き★(プロフ) - 本当に毎度毎度御話が素敵で面白いです!裏側から静かに静かに応援しています!体調にお気をつけて頑張ってください! (2021年6月6日 8時) (レス) id: 07e5d6fa1a (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ねぎ。さん» ありがとうございます!!就活事態もまだまだ不安だらけでこちらの方に作品を投稿できるか不安になりつつありますが、なるべく頑張ります!今後ともよろしくお願いします! (2021年5月27日 15時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - 竜胆の瞳さん» すぐに返信ができずすいません!そのように褒めていただいて光栄です!全然更新が出来ておらず申し訳ありません。今後ともこの作品のことをお願いします! (2021年5月27日 15時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ねぎ。(プロフ) - 応援しています!!就職活動に負けないでください!!いつでも待ってます!! (2021年5月15日 0時) (レス) id: 3e04e97b77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ALICE | 作成日時:2021年4月12日 0時