第五章 207_認め合う2人 カリムSIDE ページ15
『…そんな何からも肯定された貴方が、悔しいという感情に気付けたんですね』
カリム「あぁ、ジャミルのお陰でな」
『そこでお陰でという言葉が出るのが、本当にカリム先輩らしいですよね』
チームのセンター。
俺が選ばれるなんて思ってなかった。
けど……ジャミルはきっと、ずっと我慢してたんだ。
どんなにテクニックがあっても、どんなにダンスが好きでも…
俺がアルアジームの子だから、その従者だから全部我慢して。
悔しかった。
センターをとれなかったことよりも、ジャミルにずっと我慢させていたこと、
俺がそれに気付けず、ただ笑って…あまつさえ、ジャミルを元気づけてた事。
カリム「……ほんと、俺って大馬鹿だよな」
『はい、バカだとは思います』
カリム「えぇ!?納得早くないか!?」
『大馬鹿じゃなくて、バカなだけですよ』
カリム「一緒じゃないのか!?」
『全然違いますよ。だって、以前の“大”馬鹿のカリム先輩なら、“ジャミルがあぁなったのは全部俺のせい!俺が全部悪いんだぁ〜!”…て感じだったんですけどね』
カリム「今の俺のマネか?全然似てないな!」
頑張ったな!と言って、Aの頭をよしよしと撫でる。
すると、ムグッと顔をゆがめて『黙って聞け』と言われた。
……怒ってる時のジャミルと声が似てたので、さっと手を降ろした。
こ、怖いぞ、A。
『……前のカリム先輩は何故かとか、そういう理由とか理解せず“俺が悪い”って言ってました。けど、今のカリム先輩は自分の事、ジャミル先輩のことを理解して、悪い所を認めあっている気がします』
カリム「…認め合うか。確かに、ホリデーから全然手加減してくなくなったぜ、ジャミルは」
『それは彼らしいですね…とうとう猫かぶり辞めたんでしょう』
けど、あれは本当のジャミルなんだろうな。
以前だったら、出すはずがないジャミルの素。
長年一緒にいたのに、やっとそこまで来たんだな、俺たち。
カリム「……対等になれてるのかな」
俺の呟きを拾ったAは『そんなの分からないです』と言い切る。
AもAでハッキリ言うようになったなぁ…。
入学式の彼女を思い出し、感心していたら、『けど』と続けた。
『先輩たちは確実に変わっていっているんです。
きっとなれますよ、対等に』
だってお互いを認め合っているんですから。
Aの言葉に胸がドクリとして…なんだか、泣きそうになった。
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ALICE(プロフ) - ??ただのアニメ好き★さん» ありがとうございます!!もう少しでオリジナルから本編へいけそうです!今後とも応援よろしくお願いします!! (2021年6月6日 21時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
??ただのアニメ好き★(プロフ) - 本当に毎度毎度御話が素敵で面白いです!裏側から静かに静かに応援しています!体調にお気をつけて頑張ってください! (2021年6月6日 8時) (レス) id: 07e5d6fa1a (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ねぎ。さん» ありがとうございます!!就活事態もまだまだ不安だらけでこちらの方に作品を投稿できるか不安になりつつありますが、なるべく頑張ります!今後ともよろしくお願いします! (2021年5月27日 15時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - 竜胆の瞳さん» すぐに返信ができずすいません!そのように褒めていただいて光栄です!全然更新が出来ておらず申し訳ありません。今後ともこの作品のことをお願いします! (2021年5月27日 15時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ねぎ。(プロフ) - 応援しています!!就職活動に負けないでください!!いつでも待ってます!! (2021年5月15日 0時) (レス) id: 3e04e97b77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ALICE | 作成日時:2021年4月12日 0時