第五章 204_責任とれよ ジャミルSIDE ページ12
『同じことでは?』
ジャミル「俺の計画は、お前を駒にして、カリムを追い出す事だ。
だが、結果的にアズールと共に手を組んだお前にしてやられただけだ。つまり、お前の器量を見誤った俺の罪なんだよ」
俺が最初からもっとお前を計画していれば、きっと作戦は成功していた。
いや、そもそも食堂でお前達に声をかけたことが間違いだったんだ。
お前やグリムを長居させず、オンボロ寮へ追い出せばよかった。
コイツなら操れる……自由になることを藻掻いて、抗って、一瞬見えた俺の油断だった。
ジャミル「計画を邪魔したことはふざけんなと思ったよ。
だけど、それすらも利用して俺はカリムを追い出せる作戦を考えればよかっただけだ」
『他寮内なのになんて恐ろしい事を…』
ジャミル「だからうぬぼれるな。むしろお前は俺を助けたんだ。
悔しいしむかつくが、お前が手を伸ばさなければ…俺はここにはない」
『自分の価値を、存在を…そこで終わらせちゃ駄目です』
計画が失敗して、すべてに絶望した。
どうせ俺は、一番にはなれない。
望んでいた夢すら諦めた。
ボロボロになって、あとは消えるだけの俺をお前が繋ぎ止めてくれた。
『きっと帰してくれます。だから先輩も創造して』
恐れ多くも熱砂の守り神すらも顕現させて、俺にまとわりついた影をはらってくれた。
カリムは嫌いだ。
…だけど、従者という立ち位置が嫌いだったわけじゃない。
俺はただ、抑圧される環境が嫌いだった。
…………………あぁ、苛々する。
自分で嫌いだと言っているのに、この気持ちが変わる事なんて…あっちゃいけないのに。
昔も今も、俺は出来ない。
カリム・アルアジームの“すべて”を否定できないなんて。
それもこれも、気づいたのは全部お前のせいだ。
ジャミル「後悔するな。
お前が引っ張ったおかげで、俺はあのバカの相手を未だにしているんだ」
それに、お前が言っただろ...
俺と一緒に見出してくれるって。
だから、お前も変わらず阿呆面して歩いていればいいんだよ。
ジャミル「責任とれよ。A」
蛇は一度睨んだ獲物は絶対に逃がさないんだから。
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ALICE(プロフ) - ??ただのアニメ好き★さん» ありがとうございます!!もう少しでオリジナルから本編へいけそうです!今後とも応援よろしくお願いします!! (2021年6月6日 21時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
??ただのアニメ好き★(プロフ) - 本当に毎度毎度御話が素敵で面白いです!裏側から静かに静かに応援しています!体調にお気をつけて頑張ってください! (2021年6月6日 8時) (レス) id: 07e5d6fa1a (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ねぎ。さん» ありがとうございます!!就活事態もまだまだ不安だらけでこちらの方に作品を投稿できるか不安になりつつありますが、なるべく頑張ります!今後ともよろしくお願いします! (2021年5月27日 15時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - 竜胆の瞳さん» すぐに返信ができずすいません!そのように褒めていただいて光栄です!全然更新が出来ておらず申し訳ありません。今後ともこの作品のことをお願いします! (2021年5月27日 15時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ねぎ。(プロフ) - 応援しています!!就職活動に負けないでください!!いつでも待ってます!! (2021年5月15日 0時) (レス) id: 3e04e97b77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ALICE | 作成日時:2021年4月12日 0時