第五章 203_うるぼれるな ジャミルSIDE ページ11
ジャミルSIDE
__「お前は絶対に俺を裏切らない!」
__「俺たち、親友だろ?」
嫌いだ。
アイツのすべてが大嫌いだ。
俺を肯定しようとする純粋な眼差しですらも、苛々する。
__「カリム様になんて口の聞き方をするの!」
__「勝負はいつでも2回勝って3回負けなさい」
__「賢い君なら、わかってくれますね?」
嫌いだ。
俺の意見を聞かず、決めつけてくる大人が嫌いだ。
俺の方が優秀なのに、
俺の方がうまくできるのに、
従者の息子だから、
バイパー家だから、
何においても下にいろと命令される。
だから、自由を求めた。
俺が、俺であるために、
一番であるために、
そのために、カリムを追い出そうとした。
結果的に失敗して暴走して、恥をかいただけだったが。
『ジャミル…先輩?』
ポムフィオーレ寮の門から大分離れた林の部分で、Aの襟首を離し、木に押し付けた。
男の俺なんかとは違う、細くて小さくて、弱いからだ。
でも、こんな弱そうなお前が…暴走した俺を止めて、
挙句、堕ちるしかなかった影の中から手を引いてくれた。
俺の…命の恩人。
ジャミル「うぬぼれるなよ」
『え?』
ジャミル「“自分が止めたせいで、俺がオーバーブロットした”なんていう良心の呵責を思ったりするな」
俺の言葉に、目を見開いて『どうして』と呟いた。
クソ、あのタコ野郎。
何も言わずに俺にだけ連絡してきたのか。
コイツの顔見ろ、鳩が豆鉄砲だけじゃなくて、劇物魔法薬喰らったような馬鹿みたいな顔してるぞ。
『いや…実際恨んでいるかな、と思ってて』
ジャミル「は?何言ってんだ。恨んでるに決まっているだろ!」
今度は困惑顔だ。
( ゚д゚)とした表情をしたまま困惑している。
ジャミル「俺はカリムを追い出すために試行錯誤してあの計画を考えた。
それをポッと出の……駒だったお前に邪魔されて、挙句に恥をかかされて、恨んで怒りを覚えない方がおかしいだろ」
アホみたいな顔していたAは、その言葉に苦笑した。
その顔に悲しさなど感じず、むしろ「やっぱり」と思っているようで腹が立つ。
『やっぱり…恨んでますね』
ジャミル「あぁ。計画を邪魔したことには恨んでる。
だが、邪魔されて失敗して、俺が暴走したことまでお前のせいにする気はない」
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ALICE(プロフ) - ??ただのアニメ好き★さん» ありがとうございます!!もう少しでオリジナルから本編へいけそうです!今後とも応援よろしくお願いします!! (2021年6月6日 21時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
??ただのアニメ好き★(プロフ) - 本当に毎度毎度御話が素敵で面白いです!裏側から静かに静かに応援しています!体調にお気をつけて頑張ってください! (2021年6月6日 8時) (レス) id: 07e5d6fa1a (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ねぎ。さん» ありがとうございます!!就活事態もまだまだ不安だらけでこちらの方に作品を投稿できるか不安になりつつありますが、なるべく頑張ります!今後ともよろしくお願いします! (2021年5月27日 15時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - 竜胆の瞳さん» すぐに返信ができずすいません!そのように褒めていただいて光栄です!全然更新が出来ておらず申し訳ありません。今後ともこの作品のことをお願いします! (2021年5月27日 15時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ねぎ。(プロフ) - 応援しています!!就職活動に負けないでください!!いつでも待ってます!! (2021年5月15日 0時) (レス) id: 3e04e97b77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ALICE | 作成日時:2021年4月12日 0時