〈ツイステ〉 ねじれた世界の御伽噺 第三幕

第二章 14＿貰えるもんは貰わねぇと　ラギーSIDE ページ23

ラギー「これで弁当箱もタッパじゃなくて、かわいーもんだったら、完璧だったッスけどね。ま、いいか」


ハムとレタスのサンドを手に取り、口に含む。

ラギー「んっ！うまっ…！」


レタスはシャキシャキだし、ハムも柔らかいまま…でも一番はこのマスタードが旨いんだ。
多分市販の奴じゃない…これも手作り？

ばあちゃん以外で女の手作り…しかも後輩の手作り初めてだな…。
しかし、料理旨いんだな、あの子。


レオナ「んだ、これ」
ラギー「あー！？」

早々に食べ終え、次は何を食べようか悩んでいた時に後ろから伸びたレオナさんの手に1つ奪い取られた。

ラギー「ちょっと、それ俺の！何でよりによって肉系取るんッスか！」


肉大好き百獣の王レオナ・キングスカラー。
目ざとくカツサンドを手に取り食べる…デラックスメンチカツサンドあるじゃないッスか！
てか、野菜も食え！俺がおかずにしても食べない時があるのに！


レオナ「ふぅん……悪くねぇ」
ラギー「え！？」


そのままタッパを奪い取られ、何個か奪われる。
あー！と声を上げるが、「煩ぇ」と逆に文句を返される。


ラギー「ちょ、俺の昼飯―！！」
レオナ「キャンキャン騒ぐな、ほらよ」


鬱陶しそうにそう言い、タッパを返す。
中身が残っている事にホッとした…が。


ラギー「肉系全部取ってるじゃないッスか！？俺、唐揚げサンド結構楽しみにしてたんッスけど？！」

レオナ「あぁ、まぁまぁだった」

ラギー「感想聞いてねぇし！！」


タッパに残っているのは、卵サンドや、野菜系のサンドイッチのみ…。
この人は‥‥。


レオナ「ふぁ…………腹が膨れたら眠くなってきた。昼休みが終わったら起こせ」
ラギー「俺、レオナさんの目覚まし時計じゃないんスけど……って、もう寝てるし！」



文句言ったが既に寝息を立てたこの人には聞こえまい。



ラギー「ったくも〜……」

この人の特技、3秒で寝る事だからな……。あー、まぁ全部食われてないだけマシか。
それに……もう1つあの子から“貰った物”あるし。

ポケットから白い包み紙を取り出す。
中からは甘い匂いがするから、お菓子の類だろう。


あんだけサンドイッチ美味いし、購買でも見た事無い包み紙だから、多分手作りであることに間違いはない。



ラギー「シシシッ、ベストのポケットなんてスリ易い場所に入れといちゃ駄目っスよ〜。」

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