劫火の永遠 2【炎炎ノ消防隊】 (ページ9)

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【57】　カリム・フラムページ9

NO SIDE

引率の女性について、森羅たちは廊下を歩く。
Aは教会内部と修道服の女性を見てから軍服に目を落とす。

(…軍服だとまずかったかな)

ふと、引率の女性が立ち止まり、合掌をした。
前を見てみると少し先の方に神父の服を着た男が立っていた。

『…！あの人は…』

？「てめェらが研修の新人か」

ジロジロと森羅を見る男、そしてやがて…。

？「ったく…どうせクソみてェなクソしやがんだろ？クソかよクソが！」

と暴言を言い放つ。
イラっとした森羅だが、クソをクソと呼ばれているだけで悪口になっていない事に気づいた。

男は今度、アーサーを見て、

？「てめェもてめェで、てめェのケツはまるでケツだぜ。ケツはケツらしくケツしてろケツが!!」

とまた悪口…になっていない言葉を放つ。
理解できないアーサーは言い返そうとしたのを森羅が止める。

森羅「ケツをケツって言ってるだけだ」
アーサー「…？？」

首をかしげるアーサーと苦笑いするA。
Aは男を見上げ、少しだけ帽子を上げる。

『お久しぶりです、カリム中隊長』

敬礼…ではなく合掌をして、男…カリム・フラムに声をかけた。
カリムは一瞬、怪訝な顔をしたが、Aの顔を見て、眉間のしわを解いた。

カリム「Aか、久しぶりだな」

『ご挨拶が遅れてすいません』

カリム「あー、固くなんな。テメェは固くて、固ぇんだから…より一層固くなんぞ」

『…その癖なので(相変わらずの話方だ)』

親し気に話す2人の様子に全員驚いている。それを見たカリムは、首の後ろを掻く。

カリム「ま、積る話は後にすんぞ…。バーンズ大隊長がお待ちだ…ついてこい…」

引率の女性は一礼し、元来た道を戻っていく。
そしてカリムは歩き出した。

森羅「知り合い、なのか？」

『紫龍炎家の人間は7歳から訓練校に入るまでの間、第1で聖陽教について学ぶんだ』

能登「だ、第1で！？す、すごい…」

岸理「それで何で第1じゃなくて第8なんかのザコ………じゃない、第8に入ったんだよ」

茉希とAを見てザコイと言いかけたことを取り消す岸理。

アーサー「決まっている、ヴァルキリーは第8という城がお気に召したのだ」
茉希「それアーサーが言うの？」

『…まぁでも、第8を気に入ったのは事実です』
茉希「え！？本当！？」
『この話、帰ったからにしましょう』

スタスタと早歩きをするAにポカーンとする第8以外の2人と、笑う第8だった。