劫火の永遠 2【炎炎ノ消防隊】 (ページ39)

今日:19 hit、昨日:2 hit、合計:170,907 hit

【87】　ヒーロー、登場ページ39

大聖堂でみたAの目、凄い霞んでいて、濁っていて……とても寂しそうに見えた。
傷ついて、傷ついて、苦しいAが闘って…今、危ない目にあっているのに。

環「…無力、だぁっ……」

ポロポロと涙を流す。

何もできない、何も＿＿＿。

＿＿『市民を守るヒーローになる！』

ふと、あいつの顔が…頭をよぎった。

……呼ぶ資格なんて、ないかもしれない。
でも、あたしには…これくらいしかできない。

手と足に力を入れ、なんとか四つん這いになる。

大きく息を吸って、炎を…‥遠く、高く…………！！！！！

環「誰か……っ、誰か、助けてぇえええ！！！！！！！！！！！」

赤い赤い、猫又のしっぽのような炎を空まで掲げた。

星宮「無駄だ、環！A紫龍炎に火種を灯せば…すぐに処分してやる」

そして、烈火中隊長……烈火星宮は小瓶を開けようとする。

＿＿＿＿＿＿やっぱり、駄目……だった。

あきらめかけた、その時……キュィーンッという音が聞こえた、と同時に爆音。
廃墟の室内に熱い炎と、それによりおきた爆風があたりに充満する。

空から来た“ヒーロー”は烈火星宮の顔にむかって、蹴りをかましていた。

森羅「A！！！環！！大丈夫か！？」

烈火星宮から離れたAと…そいつの顔をみて、ホッとして…また涙があふれた。

＊＊

森羅「A！！！環‼‼大丈夫か！？」

『っ…ゲホっ…森羅！』
環「っ…く、日下部」

星宮から離れる事が出来たおかげは…森羅が空から突入してきたからか。
どうやら環がしてくれた炎のおかげで助けられたようだ。

環「っ…A、っ…か、体！ほ、焔ビトに！！」
『なってない。森羅のおかげで…あと、環。炎を使ってヒーローを呼んでくれてありがとう』

はいつくばって、無理やり此方に来た環にそういう。
目が既に泣きはらしているのに、今でもポロポロと涙がこぼれる環。

…頬も服も煤や血だらけだ。
腫れがまだ残っている……きっと強く殴られたんだろう。

『環、子供たちと共に柱の陰に』

ちらっと槍がささっている部分を確認する。
距離は遠いけど、森羅が何とかしてくれれば、全然取りに行ける。

『…！森羅後ろ！！』

森羅「っ！？ぐっ！！」

頬をぶっ飛ばされたはずの星宮がもう起き上がり、森羅に向かって拳を放った。
そのあまりの威力に森羅は吹き飛ばされる。