劫火の永遠 2【炎炎ノ消防隊】 (ページ38)

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【86】　無力な少女ページ38

『……環、下がってて』
環「あ、あぁ」

蟲図が走る…‥・こんな邪教徒の馬鹿に…あの人は………。

『………腕と足斬り落として、胴体だけにして情報吐かせてやる、クソ下衆が』

今まで…こんなに怒りを覚えたことがあっただろうか…いや、無い。
それだけやっぱり…肉親をやられたのは…痛かったんだろう。

星宮「っ……大人しく、火種の制裁を受けろ！！」
『誰が受けるか！！！』

起き上がった星宮にまた近付き、槍‥と思いきや拳銃を乱射する。
そのうちの2発が奴の肩に命中し、貫通する。

「ぐあぁ」っと呻き声があげられたのを見て、その傷穴に向かって槍を差し込んだ。

『まずはその左腕、もらうぞ！！！！』

風圧でぶっ飛ばそうとした時＿＿＿また、ペンダントが熱くなった。

『っ！？あっ‥』

＿＿「うわぁああ！？」

そして次に聞こえたのが、倒れていた子供がわめている。
何かに苦しむように胸をかきむしり、体をくねらせることでその何かから逃れようとしている。

『っ…環！その子を…ぐっ！？』

だが、そのすきを突かれた。
槍を落とされ、遠い場所へ放り投げられる。

くしくもその槍は、壁に突き刺さる。

私は今、星宮に首を掴まれ、高くあげられている状態だ。

環「Aっ！！！？」

星宮「十分痛めつけられた…だが、俺をこうまでするとは…やっぱり見込みがある★
君ならば、あのタッくんより、凄い存在になれる！！伝道者もさぞお喜びだろう！！！」

『っ…は、ぐっ…』

星宮「さぁ、君の中にも、火種を灯してやる！」

星宮が懐から出したのは、カリムさんの部屋でも見たあの蟲が入った小瓶だった。

＊＊

環SIDE

情けない＿＿子供たちを危険な目にあわせて、Aまで…。
必死に足をばたつかせて、抵抗しているA。

環「…や…っ、だ」

＿＿『よろしくな、環』

環「やめ、て……」

痛む体を這って、何とか烈火中隊長とAの所に行こうとする。
だけど＿＿とてもじゃないけど間に合わない。

環「っ………うぅっ」

好きだった。ずっと烈火中隊長が大好きだった。
だから彼の役に立てて、凄いうれしかった。

＿＿＿なのに、だまされて………皆を危険な目にあわせてる。

政宗中隊長まで、烈火中隊長に＿＿＿。