劫火の永遠 2【炎炎ノ消防隊】 (ページ33)

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【81】　アサシンにジョブチェンジページ33

その日の夕方、もう一度私の部屋に集まる2人。
私は今日の大聖堂で気付いた事を2人に告げる。

『小瓶が転がっていたの』
森羅「小瓶？」
『…この間見た、蟲が入った瓶よ』

ソレを言うと、2人の表情がまた変わり、緊張感が走る。

『死体の脇のすぐ傍に…蟲は入っていなかったけど、同じ小瓶だった』

アーサー「どういう事だ？何故、お前の兄君がそれを…」

『候補は3つ在る。
1つ、本当に何も関係が無い、ただの小瓶。
2つ、兄自身が犯人、または犯人と協力関係だった。
3つ、兄が犯人から奪ったもの』

2つ目と3つ目を提示したら、2人の表情が変わった。

『そこらへんは、もう兄が死んでいるから何も分からない。
だけど、あの殺害のされ方は尋常じゃない』

森羅「仲間割れにしても、大聖堂でやったらバレる可能性が高い」

『事が起こったのは大聖堂で間違いは無い。けど、移動できなかったのは、
出血量が多すぎたから。そして犯人に時間がなかったから…だからかな』

アーサー「…で、これからどうするんだ？」

『…兄さん自信も部屋も今捜査するのは無理だと思うから…となると、残り3人。
そして、あの時現場にいたのは…2人』

アーサー「じゃあ、まずは烈火とカリムを調査するか」

やけに張り切った様子のアーサーは立ち上がる。

森羅「お前、随分とやる気だな・・・相手は強敵だぞ。何しろ……その内の誰かが…Aの兄貴を……」

アーサー「当たり前だ。誰であろうと絶対に許さん。この騎士王の名に掛けて、
俺があの男の敵を取ってやる」

『・・・まだその3人の誰かにやられたとは限らないからね』

＊＊

中隊長室が並ぶ廊下を歩く。
何故かアーサーはフードを被り、口元をマスクで隠していた。

『どっちからいくの？』

森羅「カリムの部屋からだ。ジャガーノートに適当な事いって、呼び止めて貰っているから」

『作戦話したの？』

森羅「いいや、あいつ…環に気が合ったから、連絡先教えるって言ったらスンナリと…て、
その格好はなんだよ、アーサー！」

漸くツッコマれた…私と森羅はアーサーを見る。

アーサー「騎士からアサシンにジョブチェンジした」

ピースをかざし、私達を見るアーサー。
そんなアーサーからそっと距離を取る私と森羅。

『・・・ア、アサシン』
森羅「お前、あんだけ騎士とか言っといて・・・・・」

すると、それを見たアーサーはフードとマスクを外し、ドヤ顔してきた。

アーサー「騎士だっ」