劫火の永遠 2【炎炎ノ消防隊】 (ページ26)

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【74】　黒幕は誰だ？ページ26

『…今のローブって…中隊長クラスの…』

森羅「現れた…！！追うぞ！！」

アーサー「ちょっと待て！！焔ビトはどうするんだ！！」

森羅「今は第一に任せるしかない！！」

『し、森羅‼待って！！』

すぐさま森羅は蟲を持っていたローブの人物を追い、通路の中へ。
アーサーと共に顔を見合わせる。

松田小隊の隊員が此方に向かってきている。
ここで3人ともいなくなったら、命令放棄で怪しまれる…。

だったら、この場に1人残った方がいい。

『っ…アーサー！森羅を追って！私はここで待機するから！』

アーサー「頼んだぞ、ヴァルキリー！！」

『…その呼び名、いい加減やめてほしい』

森羅をアーサーに任し、待機していた松田小隊が来るまで時間を稼ぐ。
幸い、すぐに人を襲わない焔ビトであったため、周りの住民が逃げる時間はあった。

『……貴方を、鎮魂しないと…いけないんですよね』

今さっきまで“人間”だった……。
あの小瓶に入った蟲のおかげで＿＿＿あれはいったい、誰が。

焔ビト【ヴァアア！！！】

私を見て、襲ってくる焔ビトの攻撃を避けながら考える。

ここにいる中隊長…第1にいる人間で間違いはない。
……4人のうち、この地区を担当している隊は‥…。

カリムさんと、烈火中隊長だ。

『………いや、まさか』

正直、烈火中隊長はそこまで面識はない。
けど、カリムさんは別だ＿＿＿。

もし、彼が……人体発火の黒幕だったら………私は、彼を＿＿殺せるのだろうか。

そこまで考えていた時、焔ビトの拳が目の前まで迫った＿＿＿

が、その前にボウンッというベルの音が響いた。

そして、冷気が周囲に広がる。

カリム「よくよくここまでよく、持ちこたえたやがったな」

『…カリムさん』

カリム「あとは任せて、下がっていろ」

いつの間にかカリムさんだけではなく、烈火中隊長まで戻っていた。
複雑そうな顔の森羅とアーサー、そして環と共に。

『…森羅』

森羅「…‥A、あとでお前の部屋に行っていいか？」

『うん、その方がいいね。君ら2人は4人部屋だし…。今回のこと、相談した方がいい』

そして、烈火中隊長の拳により焔ビトの鎮魂が完了した。
私はそっと合掌し、「ラートム」と唱えた。

……何だろうか、懐かしい第1のはずなのに…。

実家よりいた、場所のはずなのに…。

何故か、あの賑やかな第8に＿＿＿早く帰りたい。