劫火の永遠 2【炎炎ノ消防隊】 (ページ25)

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【73】　蟲ページ25

食堂からカリムさんが仕切る隊と合流し、現場へ向かう。
現場について早々、地区の見取り図を広げて、隊員たちに指示を出していくカリムさん。

カリム「焔ビト化した被害者は五人。今回もまた複数のようだ。
野坂小隊は市民の避難確認。松田小隊は情報を集め各員へ伝達。
俺達は焔ビトを探す。速やかに鎮魂する！！」

隊員達「「「はっ！！」」」

流石第1…隊員たちに的確に指示を出している。
隊員の多さで、混乱する事もない。

…的確に、迅速なる指示。凄い。

カリム「第8の三人は松田小隊とここで待機。」

森羅「俺達にも何かを…」
『森羅。駄目だよ』

手伝えないかと告げる森羅を止める。

『第1隊員じゃない私達が、下手に現場の指揮を乱したら迷惑になる』
カリム「そいつの言う通りだ。お前らはそこでそのままそのままにしてろ。」

カリムさんはそう言い、焔ビトを探しに背を向けて行った。

『……ふぅ』

森羅「クソ…こんなんじゃ」

『焦らない、焦らない。まだ5日だよ』

森羅「そうだけど…」

『アーサーのこのマイペースを見習わないと』

森羅「それは絶っってぇいや」

森羅の返答に苦笑いしつつ、服の下に隠してあるペンダントを握る。

……昨日の夢といい、
さっきのことといい、最近の私はよくわからないな。

私は、自分のことを考える必要はなかった。
全部、紫龍炎家が握っているから。

第8に来てから、私はおかしい。
自分の考えができて、行動が出来て……好きなことができる。

第8の人達を見て、心が温かくなる感じは…何だろうか。

『…ちゃんと話した方がいいのかな』

アーサー「何がだ」

『あ…こっちの話……？』

ふと、森羅が何か見ているのに気づいて同じ方向を見る。
森羅が見ていたのは路地の入口、そこから一人の男性がフラフラとしながら出てきた。

『…お酒飲んでるのかな』
森羅「昼間だってのに…大丈夫ですか？」
『あ……まぁいいか』

動くなと言われたのに助けに行く森羅…流石ヒーロー。
アーサーにここで待つように言って、私も手伝う為、路地の方へかけた。

その時＿＿

男性の背後からローブを見に付けてある手が出てきて、
男性の背中に何か小瓶を押し当てた。

普通じゃ見えないけど、私と森羅の視力は共に2.0.
だから、中身が見えてしまった。

『…蟲？』
森羅「なんだ、あれ」

不思議に思った次の瞬間、男性の体が炎に包まれ……

＿＿焔ビトとなった。