劫火の永遠 2【炎炎ノ消防隊】 (ページ17)

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【65】　最大の一歩ですページ17

すると、彼の手の前にボッと小さな炎の玉がいくつも浮かび上がる。

政宗「“陽炎弾”」

そう呟くと同時に、小さな球が弾丸の形に変わり、Aに素早く襲い掛かる。
それを見て体制を整えたAはボタンをいじり、風圧で炎を飛ばす。

そして槍を地面に突き立て、宙へ飛び上がろうとする。
それを見て、再び陽炎弾を出そうとした政宗。

それを読んでいたように、砂を政宗の顔に投げつける。
目をつぶり、砂を払う政宗。

その間に槍を喉笛に…と思ったが、槍をガシッと掴まれ、振り回され、飛ばされる。

『っぅ、ぐっ…！』
政宗「…人様の顔に砂利かけるんじゃねぇーよ」

ペッと砂を吐き出し、転がるAを見下ろす。

岸理「やっぱだめだろ」

森羅「んだと？！」

岸理「知らねぇのかよ…政宗紫龍炎中隊長は、あの第7の大隊長、紅丸新門に並ぶ消防官だぜぇ？そんな強ぇ奴が、二等にかなうわけねぇじゃん」

アーサー「貴様、このエクスカリバーの刀の錆に…」

茉希「やめなさい！君たち！！」

外野がワイワイ騒ぐ中、Aは冷静にきれた頬から流れる血を拭う。

政宗「……悪いが、俺は慈悲がねぇんだ。お前の命1つ、どうとでもなるからな」
『…そうですか』

政宗の言葉にぶっきらぼうに言い放つA。

するとAはそっと自身の拳銃を見つめた。
そして、その拳銃を政宗に向ける…と思われたが、自身の頭につけた。

それを見て、政宗の顔色が初めて歪んだ。

森羅「A！？」

カリム「何して‥・！」

政宗「チッ！」

舌打ちして、地面に手のひらをつけると同時に、Aの側の土の中から炎の渦が現れた。
それによりAの体が揺れ、弾道がAの頭からぶれて、地面に発砲された。

政宗「っ…どういうつもりだ」

政宗が一歩近づいたと同時…Aは政宗に向かって、拳銃を投げつけた。

政宗「な…」

いつのまにか頭上に投げていた槍を掴み、政宗の顔に向かって槍の切っ先を突き付けた。
さっとバランスを崩し、それを避ける政宗

政宗「……っ」

その彼の頬からはツゥーと血が流れる。

星宮「あの政宗に傷をつけた！」
リィ「しかも血まで流させましたね」
カリム「っ…ふぅ」

さっきの行為がフェイクだったと気づいてホッとするカリムと森羅たち。