〈ツイステ〉ねじれた世界の御伽噺 Side Story

雑誌撮影は大変だっ　3 ページ40

パシッと、フェアリーガラで散々味わった魔法のムチで叩かれる。
痛い！？と2人で声を上げ、慌ててカメラの前に。


…容赦ないな、本当に。




カリム「ま、A！楽しんでいこうぜ！」

『…鞭打ちされてよく言えますね』

カリム「まぁ、俺的にはAとこういう写真が撮れてラッキーだけど」

『ラッキー？何でですか？』

カリム「あ、いや……それは……あれ？何で？」

『い、いや、私が聞いているんですけど……』



ヴィル「アンタたち、さっさと持ち場に着く！！」
「『は、はい！』」



また鞭打ちされたらかなわないので、慌てて定位置についたのだった。



＿＿＿...







ヴィル「うん、上出来よ。2人とも」


カリム「お、終わった…のか？」
『歩けだの、立てだの、座れだの…‥‥モデルって本当に大変なんですね』




4時間は経ったのだろうか…漸く(ヴィル先輩が)納得いくものが出来上がり、
私達の撮影は終わった。


足も腕もガタガタでパンパンだ…疲れた。


ヴィル「よくやったわ、2人とも。いい写真が撮れたわよ」
カリム「そうか？なら良かったぜ！」


何が良かったんだよ…と言いたいが、言ったら鞭打ちされるのでやめておこう。



ヴィル「今日着た衣装やメイクはアンタたちにあげるわ。後で送ってあげるから」

『いや、あんなドレスを置くところがないんですけど…』

ヴィル「安心しなさい。クローゼットごと送ってあげる」



お金持ち怖い…何言っても駄目だ。


ヴィル「それじゃあ、1週間後、楽しみにしてて」
カリム「1週間後？」
『た、楽しみ？』


…そういえば、今回の写真、何処に使われるんだっけ…まぁいいか。
今は帰って寝たいな。


ヴィル「A！待ちなさい！まずメイク落とし！ヒールもズリズリと擦らない！！！」

『も、もう終わったから良いじゃないですか！』

ヴィル「アンタ、そのドレスからアンタのヘア・メイクセットまでいくらすると思っているの？」


チラッとドレスと靴…そして装飾品を見て、カリム先輩のものもジッと見つめる。


カリム「フェアリーガラの時みたいにキラキラしてるよな！」

『…………因みに私の分でおいくらですか？』

ヴィル「フェアリーガラの時にジャミルとラギーが着ていた衣装分よ」

『ひっ！？………ふ、二人合わせたら？』

ヴィル「ふふっ、聞きたい？」


全力で首を振って、ヴィル先輩の指示に従ったのだった。


…やっぱりこの世界のお金持ち、色々な意味で怖い。

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