〈ツイステ〉ねじれた世界の御伽噺 Side Story

炊き込みご飯（スカラビア寮） ページ35

ジャミル「カーリーム！！！！」
グリム「悪いで済めば、ケイサツはいらねーんだゾ！」
『まあまあ…て、どうして私達を連れてきたんですか？』


責める2人を宥めて、私はカリム先輩に聞いてみる。


カリム「いや、その…Aの料理が食いたくて」
『りょ、料理？私のですか？』
カリム「あぁ！リドルやレオナ、アズールも言ってたんだ！あと、ウナギめっちゃうまかったから！！」


最近、生徒達に私が作ってきた弁当をジーッと見られていることが多いと思っていたけど、寮長さんから噂が流れていたのか…。
そういえば、カリム先輩もウナギ食べに来ていたな。


ジャミル「だからといって、いきなり絨毯で攫う馬鹿がいるか。本当に馬鹿なのか、バカか」
『…ジャミル先輩、本当に遠慮なくなりましたね』


良い事なのだろうけど、あんまりばか、ばか言いすぎでは…。


カリム「うぅ、ご、ごめん」
『いや事情は分かりました…。なら、今日作りましょうか？』
カリム「いいのか！？」
『復活速っ』


ショボンとした顔が一気に明るくなり、詰め寄られる。
そんなカリム先輩の襟首をつかみ、引き離すジャミル先輩…乱暴だな。


グリム「えぇー、オレ様の分が減るじゃねぇーか」

『いつも食べてるんだし、良いじゃない。勿論、毒見はジャミル先輩にお願いしますけど』

ジャミル「それは構わないが…いいのか？」

『良いですよ。だってここで造るって事は、殆どの食料は無料って事でしょ』

ジャミル「…君も中々図太いな」

カリム「勿論だ！隙に使ってくれ！何作るんだ？」

『今日は炊き込みご飯を作ります』

「「「炊き込みご飯？」」」


キョトンとする彼ら。やっぱり炊き込みご飯もないんだな…。
作りながら説明しますといい厨房へ赴いた。


＊＊


『必要なのは、ライスと今日買ったゴボウとニンジン、キノコ‥あとはツナも使います』

グリム「ツナ〜！」

「調味料はこの醤油と味醂で、ツナ缶の油も少々入れるとうまみに繋がります」

ジャミル「どういう料理何だ？リゾット…じゃないだろ？その具材を見る限り」

『炊き込みご飯って言うのは、ご飯を炊く際に、具を米と一緒に炊き込んで作る料理の事を言います。私の国にある料理の1つで、地名によってはかやくご飯とも言われているんですよ』

カリム「へぇ、よくわかんねーけど、凄ぇな！それって旨いのか？」

『出汁がライスや具材にしみこんで美味しいですよ』

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