〈ツイステ〉ねじれた世界の御伽噺 Side Story

うな重（オクタヴィネル寮） ページ29

『次に入れるのは大さじ4のみりん。ここで30秒から1分、放置します』
フロイド「放置すんの？」
『アルコールを飛ばす為ですね。煮詰めていったらアルコールが抜けて行くので。
今、少しお酒臭いでしょ？』
アズール「…まぁ確かに、一応未成年ですからね」
『一応ってつくところがまた怖いですけど…』


タレを少し置いておいて、鍋の蓋を外し、ウナギをひっくり返す。
水分が多少無くなってるので…料理酒大さじ1プラスして、蓋をして、更に1分蒸す。


『大体たったので…あとは醤油を入れて煮詰めます』


醤油をいれ、グツグツと煮込ませる。


『これであとはタレのトロトロさがくるまで放置。時々まぜてトロミが出ているか確かめてください』

フロイド「ほーい」

『蒸焼の方もそろそろいいので、一度裏返して…
水分が残っていたらキッチンペーパーで拭きとる』


あとは焼いて、タレと馴染めせるだけだ。


＿＿＿…



タレが出来上がり、焼いているウナギにかけると、ジュワッという音と共に匂いが充満する。
ゴクリと周りの唾を飲み込む音を聞きつつ、焼きあがったウナギを、ご飯の上に。


『出来ました、これでうな重です』
フロイド「えぇ〜！？これマジでウナギ！？めっちゃうまそう！！」
グリム「ツヤツヤのタレにほくほくの白い実がご飯と馴染んで…涎が止まらないんだゾ〜！」
『どうぞ、ご賞味あれ』


そう言うと、フロイド先輩とグリム君ががっつく。
アズール先輩を見ると、食べる事を大分躊躇している。

…カロリーの話しちゃったからなぁ。


『アズール先輩、ご飯の量少なくしてますし、一口だけでも食べてはどうですか？』

ジェイド「そうですよ。そんなに痩せているんですから……“今は”」

アズール「一言余計だ！
……た、確かに支配人たる僕が味を見ない限りは商品化する訳にもいかない……。
そ、その余りタレを掛け過ぎないで下さい。あと、ご飯は少なめで」

『はいはい』


凄い渋々という感じのアズール先輩に他より少なめにして渡す。


ジェイド「…おや、これは…」
アズール「！‥…ふっくらしたウナギの身とタレのこの甘さ、それがご飯に絡んで…」
「「うまぁ〜！」」

『ご飯無しでそのまま出しても美味しいですし、卵にまいてう巻きにしたり、
お汁にしたりするとまた違って美味しいですよ』


ジェイド「あのウナギが…ここまで味を変えるとは…タレもあんなに簡単なのに」

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