〈ツイステ〉ねじれた世界の御伽噺 Side Story

うな重（オクタヴィネル寮） ページ27

フロイド「A、マジで言ってる？」

ジェイド「毒キノコを食べてしまったんですか？」

アズール「ジェイド、お前が厨房何かに置きっぱなしにしているから！」

『…いや、酷い言われよう。普通に美味しいですよ』

アズール「本気ですか？食堂のウナギのゼリーを食べても！？」

『あぁ、あれは不味いです。下処理から間違ってますから。殆どぶつ切りですし』

フロイド「そうして食べるしかないじゃん」



食堂に出てくるウナギのゼリー…興味本位で食べたけど、あそこまで不味いとは…。
このツイステッドワンダーランドでは、ウナギの食べ方はぶつ切りでしかない様だ。



『私の故郷の作り方でよければ、ぶつ切りにしないで美味しく食べる方法があるんですよ』


フロイド「えぇ〜こんなブヨブヨ細長いのが？」
『ウツボも似たようでは？』
フロイド「は？」
『いえ、何でもないです…ど、どうしますか？』


低い声を出され、睨まれたのでさっと話を切り返す。


アズール「それでウナギの調理法とは？」
『開いて食べるんです』
ジェイド「ひ、開く？このウナギをですか？」
『はい。内臓や骨をとって、一度蒸してから、たれをつけてかば焼きにして食べるんですよ。
このウナギは立派ですし、油が載ってきっとおいしいです」


蒸す？かば焼き？タレ？と、首をかしげる3人…。
ウナギのゼリーを見る感じ、この世界でウナギは疎遠的な食べ物なんだな。

あっちの世界にいた時、叔母たちに料理作れなきゃ追い出すとか言われたから、
ウナギの切り方も必死に勉強したんだっけ…無免許でよかったよ、ウナギ。


『まぁ、実際作りましょうか。
今日は丁度、何か使えるだろうと思って、これを持ってきてますし』


持ってきた鞄から醤油のボトルを取り出す。
それにも不思議な顔したが、一々説明していたらキリがないので、厨房へ移動した。


＊＊


アズール「ショーユ…それがAさんの故郷の調味料なんですね」
フロイド「……しょっぺぇけど旨っ」
『あんまり舐めすぎると、舌麻痺しますよ』
ジェイド「これがタレなんですか？」
『それだけだと辛すぎるので、お酒や砂糖を使って甘くします。
まぁタレを作る時にお見せするので』


慣れた様子でモストロ・ラウンジの厨房をあさり、串を取り出す。
本来はタコ焼きに使う串だけど…まぁいいか、他にないし。


ピチャピチャ暴れるウナギをとり、向こうで覚えた調理手順をして、平たく開く。

うな重（オクタヴィネル寮）→←うな重（オクタヴィネル寮）〜ウミソラ様リクエスト

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す