〈ツイステ〉ねじれた世界の御伽噺 Side Story

リドル先輩と勉強会　〜エルピス様リクエスト ページ13

リドル先輩のオーバーブロット事件が終了して、
私がまだ保健室で休んでいた時の言だった。


リドル「A、体調は大丈夫…て、勉強しているのかい？」


放課後、リドル先輩が保健室にやってきた。


『アハハ、グリム君のノートがちょっと分からなかったので…自分なりに』

リドル「起き上がっていいのかい？」

『もうほぼ体は大丈夫ですから…て、先輩何か？』

リドル「いや、様子を見に来ただけだ……」


リドル先輩は私が開いている教科書を覗き込む。



リドル「…魔法道具についての歴史だね。」
『はい。魔法にはちょっと疎いので…』


異世界から来たからな、魔法道具の歴史にいざ触れろと言われても…無理だな。



リドル「…よければ僕が教えようか？」

『え、い、いいんですか？』

リドル「こんなことがお礼になるとは思わないけど…少しでもAの力になりたいんだ」

『……それは、とても嬉しいです。お願いできますか？』

リドル「！‥あぁ」


リドル先輩は不安げな顔から嬉しそうな顔に変わり、ベッドの近くにある椅子に座った。


そして、私はリドル先輩と小さな勉強会を行う事になった。




＿＿＿一時間後、


リドル「うん、もうそんなに理解できるなんて…Aは要領がいいね」

『リドル先輩の教え方が凄い上手なんですよ。
ノートも凄い綺麗で、分かりやすかったです。

あの…もしよかったら、ノートの取り方のコツとか教えて貰えませんか？」

リドル「え…」



リドル先輩はとてもビックリな顔をする。
しまった、流石に図々しかったかな。


『ご、ごめんなさい、無理にとは…』

リドル「い、いや………その、Aは僕が怖くないのかい？
一応…収まったとは言え、オーバーブロットした身……しかも、僕は君に…」


それ以上言いかけたリドル先輩の口をノートを押し付けて止めた。


『私、嬉しいです。
昔からこういう風に人から教えられるとか、先輩とかそういうのも関わって来なかったので

…だからとても楽しいです。怖いなんて思いません。
それに、あれは全部リドル先輩だけのせいじゃないですよ』

リドル「A…」

『教えてくれませんか？』

リドル「……うん、僕の方法でよかったら、ぜひ教えさせてくれ」

『はい、ぜひお願いします！』


頭を下げると、ドンと机に額をぶつけた。
驚愕し、心配するリドル先輩と笑う私。

そんな私につられ、先輩も笑い出した。

リドル先輩の表情には、もう影は見えなくなっていた。

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