〇純白の貝殻 １９〇 司SIDE ページ24
司「A」
『さん付けが誰一人いなくなったね、別に良いけど』
司「年上を呼び捨てにしていることは申し訳ないと思っているよ。だけど、よくよく考えればこのSTONE WORLDにおいて、年齢は関係ないように思えてね」
『それは確かに、気にしていないから、大丈夫だよ』
キャンプ地に戻る際、千空の隣から外れた彼女に声を掛ける。
さっきあの石像の首を殴ろうとした際、彼女は躊躇なく俺の前に出た。
千空が止めなければ、俺が止めなければ、確実に俺の拳は彼女に当たっていた。
＿何故？赤の他人の石像を気にするんだ。
司「さっき君は、あの石像を庇おうとしたね」
『そりゃ、中身は人だからね…文句ある？』
司「考え方は人それぞれだ。君の考えを批判するつもりはない、ただ…肯定は出来ない」
『だろうね………実際ね、少しは有りだと思っているよ、司君の世界』
彼女の言葉に、俺は昨晩と同じように目を見開いた。
『世の中にはね、汚い考え方の大人は山ほどいる。彼らはきっと改心何てしない。何度も過ちを繰り返す。それに歴史上の中でも、そういう人間を処罰する存在はいた。君が愚かな独裁者たちにとっての光となるなら、それでもいいのかもしれない』
彼女の言葉に、俺は少し歓喜した。
もしかしたら、俺と来てくれるかもしれない…そんな期待が生まれた。
千空ではなく、俺の隣に立ってくれるかもしれない、と。
『でもね、司君。君の考え、少しだけ同意できない』
司「俺の考え？」
『君は若い人間だけといった。けど、文明の中、年齢が若いってだけが悪じゃない。仮に貴方が若い人間ばかり復活させたとしても、きっとその中から悪意が混じった人間が現れる。その人間が統治する時代がまた始まる。汚いのは大人だけじゃない、そこに年が若いとか関係ないと思う』
彼女はどこか虚ろな目をして、物思いにふけたような表情をし、俺の顔を見た。
『私も、全部心が綺麗な訳じゃない。君や千空君や、大樹君と違って…私だって汚れているよ』
泣き出しそうな笑みを浮かべ、俺にそういった。
俺が口を開く前に、彼女は歩き出していた。
その小さな背を見つめ、俺の中に何かがストンと落ちた。
＿あぁ、そうか。だからだ。
彼女の言葉を聞いて、姿を見て、自分の中で何かが引っかかっていた。
理由が今、分かった。
俺は彼女に、恋をしてしまったのだろう。
司「………俺は君が欲しい、A」
小さくつぶやかれた俺の声は先を歩く彼女に届かなかった。
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ALICE(プロフ) - マイさん» ご意見ありがとうございます！クロム原作通りにですね！ご協力ありがとうございました！ (2020年4月18日 22時) (
レス) id: 8355c0cb19 (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - 初めてコメントします。私的には、クロムは原作通り、ルリに気がある設定で、主人公とは仲間という認識がいいかと思います。 (2020年4月18日 20時) (レス) id: 81aa45e33e (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - 紅羽さん» 大変失礼いたしました。24話から文章の乱れが激しいため、1時非公開にいたしました。この度はご指摘頂きありがとうございます！また見直しが終わりましたら再更新させていただきます。感想と応援ありがとうございます！ (2020年4月17日 3時) (レス) id: a3dd506789 (このIDを非表示/違反報告)
紅羽(プロフ) - いざ、箱根への２４の最後の方の文章が２４の最初の文に逆戻りしていましたよ！それから、２５話が抜けているかと思われます！いつも楽しく読ませていただいています！更新頑張ってください！！ (2020年4月17日 3時) (レス) id: 9cf5eca61b (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - 零さん» ご指摘ありがとうございます！確かに視点はSIDEでした！お気にさせてしまい、申し訳ありません！今後とも、精進していきますので、よろしくお願いします！作品への感想、ありがとうございます！ (2020年4月17日 2時) (レス) id: 8355c0cb19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ALICE | 作成日時：2020年4月15日 3時
