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城島「…えっ、Aさん!?」
「あ…、城島くん。」
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高月庵の白い作業着を着た
子犬のような顔立ちの彼は見習いの城島くん。
顔を合わせる度に声をかけてくれるので、割と仲が良い。
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城島「珍しいですね、Aさんがお店に顔出すなんて!
あ、椿さんに用事ですか?」
「え、あ、いやいや違う!椿さんには言わなくていい。」
城島「えっでも」
「私もちょっと店番手伝おうと思って…、
でも勝手に来たから、椿さんには、…これで。」
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人差し指を口元に持ってきて、
内緒にして欲しいとお願いすれば、
彼も同じポーズをしながら分かりましたと言ってくれた。
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彼は今出かけていて、店にはいないはず。
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城島「Aさん、綺麗ですね。」
「…そう…?ありがとう。これ新しい着物なの。」
城島「…あ、いや、着物もですけど、Aさんが…、」
「ん?」
城島「……あれ、Aさん、首、虫刺されですか?」
「えっ、嘘。」
城島「首の後ろ、少し赤くなっ…」
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城島くんの声が、途中で途切れた。
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「全然痒くないけど…、…城島くん?」
城島「…えっあっ……// いや、気のせいでした…!」
「気のせい?」
城島「別にどこも赤くなってません…!
やだな〜…俺、疲れてんのかな…!?」
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誤魔化すみたいに勢いで喋る城島くんは、
なんだか顔が少し赤い。
さっきの使用人の人もこんな顔してた様な…。
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「…ねえ、私の首筋に何かつい…「…おい何してる。」
城島「…ぁ…」
「…!」
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詳しく聞こうと彼に1歩近づいた刹那、
背後から突き刺すような低い声が聞こえて固まる。
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城島「…椿…、さん、」
椿「……こいつに何か用か。」
城島「い、いえ!あ、僕そろそろ厨房に戻ります!
失礼します…!!」
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青ざめた顔で逃げるように厨房に戻る城島くん。
…いいな、私も逃げたい。
.
椿「…………ちょっと来い。」
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紙兎(プロフ) - はなやさん» 椿は主人公が自分のことを好いているとは微塵も気づいていないので、「今は体だけでも、いつかは彼女の心まで自分のものにしたい…」と願っているのです!聞いてくださってありがとうございました(´˘`*) (2020年10月12日 22時) (レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)
はなや - わぁ。素敵。泣美しい...変な質問で申し訳ないのですが、キスマークの所の話でつまりは2人はシたってことですよね...?なのに38辺りではいつか身も心も...って言っていましたがどういうことか教えていただきたいです、すみません(><) (2020年10月12日 1時) (レス) id: f5341d42e0 (このIDを非表示/違反報告)
紙兎(プロフ) - サユさん» はじめまして!お仲間がいらっしゃって嬉しいです、ドラマは終わってしまいましたがお互い話を完結できるように頑張りましょう1 (2020年10月1日 14時) (レス) id: d9da71655b (このIDを非表示/違反報告)
サユ(プロフ) - こんばんわ★初めまして!紙兎さんの作品初めて読みまして。。。面白くて一気に読んでしまいました!話の展開とか自分の作品と違っていて面白いなーって(*^^*)あ、自分も今【わたどう】をテーマに作成していまして。。。更新頑張って下さい!応援してます! (2020年9月29日 22時) (レス) id: ff7a33a461 (このIDを非表示/違反報告)
紙兎(プロフ) - れさん» どうぞどうぞ書いてください、私も見てみたいです!(´˘`*) (2020年9月24日 23時) (レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紙兎 | 作成日時:2020年8月14日 9時