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富岡さんに厨房を使うなと言われた二人は、
営業終えた深夜の時間帯にあんこの練習を始めた。
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そのせいで椿はまた、夜、部屋にいなくて。
別に一緒にいたってよく喋るわけではないけれど、
隣にいるはずの人がいないとソワソワする。
しかも夜の厨房で七桜さんと2人きりって…、
なんかちょっと気になるし…。
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城島「やっぱり気になりますか?」
「わっッ…!」
城島「ははっ、Aさん驚きすぎ!笑」
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一人で眠る気にもなれずに
また厨房を覗きに行こうとしたら、
途中の廊下で後ろから城島くんに
声をかけられてびっくりしてしまう。
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「…気になるっていうか…心配してるだけ。」
城島「心配?」
「……椿さん、ここのとこずっと、
まともに寝てないから体調崩したりしないかって…。
でも和菓子のことになると
周りが見えないくらい熱中しちゃうから。
私が言ったって聞かないだろうけどね。」
城島「…優しいなぁ、Aさん。」
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「……優しくないよ。」
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椿の体調を心配しているのは本当だけど、
七桜さんと椿の距離がこれ以上近くならないか
ってことを心配している気持ちの方が強くて。
…私は、いつも自分のことしか考えていない。
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「…そういえば城島くんって
どうして光月庵で見習いしてるの?」
城島「………あー…、実家が和菓子屋なんです。
“しまや”っていう能登にある小さなお店なんですけど。
早く一人前になって親を安心させたくて。」
「じゃあ、城島くんも和菓子屋の跡取り息子だ。」
城島「うちはそんな大層なあれじゃないですよ。笑」
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城島くんの家の話って、実は初めて聞いたかも。
ちゃんと将来のことを自分で考えてて偉いな〜…、
って思っていると。
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「…あ…、ふふっ、」
城島「ん…?どうかしましたか?」
「髪にあんこついてるよ。笑」
城島「えっ!?まじすか!えっどこどこ?」
「ちょっと待って、取ってあげる。」
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……どうやってついたんだろう。
っておかしくなるけど、
自分じゃうまく取れないみたいなので、
取ってあげようと手を伸ばした。
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紙兎(プロフ) - はなやさん» 椿は主人公が自分のことを好いているとは微塵も気づいていないので、「今は体だけでも、いつかは彼女の心まで自分のものにしたい…」と願っているのです!聞いてくださってありがとうございました(´˘`*) (2020年10月12日 22時) (レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)
はなや - わぁ。素敵。泣美しい...変な質問で申し訳ないのですが、キスマークの所の話でつまりは2人はシたってことですよね...?なのに38辺りではいつか身も心も...って言っていましたがどういうことか教えていただきたいです、すみません(><) (2020年10月12日 1時) (レス) id: f5341d42e0 (このIDを非表示/違反報告)
紙兎(プロフ) - サユさん» はじめまして!お仲間がいらっしゃって嬉しいです、ドラマは終わってしまいましたがお互い話を完結できるように頑張りましょう1 (2020年10月1日 14時) (レス) id: d9da71655b (このIDを非表示/違反報告)
サユ(プロフ) - こんばんわ★初めまして!紙兎さんの作品初めて読みまして。。。面白くて一気に読んでしまいました!話の展開とか自分の作品と違っていて面白いなーって(*^^*)あ、自分も今【わたどう】をテーマに作成していまして。。。更新頑張って下さい!応援してます! (2020年9月29日 22時) (レス) id: ff7a33a461 (このIDを非表示/違反報告)
紙兎(プロフ) - れさん» どうぞどうぞ書いてください、私も見てみたいです!(´˘`*) (2020年9月24日 23時) (レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紙兎 | 作成日時:2020年8月14日 9時