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城島「大丈夫ですかー…?」
「…うん、もう大丈夫。心配かけちゃってごめんね。」
城島「いえ、全然!
でも…、Aさんに何かあったら、
椿さんが困りますから。」
「…いや…それはないと思うけど…」
城島「…?」
「あっ、いや。」
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城島くんが貰ってきてくれたお水を一口飲むと、
ひんやりとした感覚が喉元をすーっと通って、
火照った熱を冷ましてくれた。
.
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城島「その簪(カンザシ)可愛いですね、Aさんっぽくて。」
「えっ…、本当…!?」
城島「はい、すっごいお似合いです。」
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その言葉を嬉しいと思ったのは、
この簪が私にとって特別なものだったから。
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城島「あ…、もしかして貰い物ですか?」
「…うん。」
城島「じゃあ〜…、椿さんからだ。」
「…えっ、なんで分かったの?」
城島「そりゃ分かりますって!笑
Aさんにそんな顔させるの、椿さんしかいないんで。」
「…そんな顔ってどんな顔?」
城島「愛おしいな〜……、って顔…?」
「…っ…/」
.
えっ…、嘘、私そんな顔してるの…!?
まずい、それはまずい。
本人には絶対にバレないようにしなければ。
.
城島「いつもらったんですか?」
「…んー…、もう、随分前のことだよ。 」
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この、花の模様が描かれた赤いトンボ玉が付いた簪は、
数年前の誕生日に椿がくれたもの。
.
彼にとっては、
仲の良い婚約者を演じるための小道具でしかなくて、
きっともう、あげたことすら忘れてる。
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でも、これは私の一生の宝物。
椿がくれた、というその事実だけで、
私にとっては充分過ぎるくらい特別なものだから。
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紙兎(プロフ) - はなやさん» 椿は主人公が自分のことを好いているとは微塵も気づいていないので、「今は体だけでも、いつかは彼女の心まで自分のものにしたい…」と願っているのです!聞いてくださってありがとうございました(´˘`*) (2020年10月12日 22時) (レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)
はなや - わぁ。素敵。泣美しい...変な質問で申し訳ないのですが、キスマークの所の話でつまりは2人はシたってことですよね...?なのに38辺りではいつか身も心も...って言っていましたがどういうことか教えていただきたいです、すみません(><) (2020年10月12日 1時) (レス) id: f5341d42e0 (このIDを非表示/違反報告)
紙兎(プロフ) - サユさん» はじめまして!お仲間がいらっしゃって嬉しいです、ドラマは終わってしまいましたがお互い話を完結できるように頑張りましょう1 (2020年10月1日 14時) (レス) id: d9da71655b (このIDを非表示/違反報告)
サユ(プロフ) - こんばんわ★初めまして!紙兎さんの作品初めて読みまして。。。面白くて一気に読んでしまいました!話の展開とか自分の作品と違っていて面白いなーって(*^^*)あ、自分も今【わたどう】をテーマに作成していまして。。。更新頑張って下さい!応援してます! (2020年9月29日 22時) (レス) id: ff7a33a461 (このIDを非表示/違反報告)
紙兎(プロフ) - れさん» どうぞどうぞ書いてください、私も見てみたいです!(´˘`*) (2020年9月24日 23時) (レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紙兎 | 作成日時:2020年8月14日 9時