白雪姫は夢を見る Ⅲ (ページ42)

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86-2.両親へページ42

Aside

　「こ、こーじくん！？

　なんでここに…！？」

向井「なんでって、Aのご両親に挨拶に来たんや．

　場所は滝沢くんに教えてもらったんやで．

　そんで来てみたら、Aがぼーっと座ってたんや」

　こーじくんがお花を添えて、目を閉じて合掌してくれる．

　こーじくん、わざわざ来てくれて本当にありがたいな…

向井「…よし、たくさんお話しできたで」

　「ふふっ、何話してたの？」

向井「Aはいつも食いしん坊でかわいいですってな！」

　「ちょっと！何それー！」

向井「ははっ、冗談やって！

　 Aはいつも頑張れるのはお二人が見守ってくれているからです、ありがとうございますってな」

　「こーじくん…」

向井「あと、Aが目の前で泣いてて恥ずかしいって言ってたで？笑」

　「…そうだよね．

　ごめんなさい、お父さん、お母さん」

　私は重い腰を持ち上げる．

　いい年した娘が目の前で泣くなんて、親からしたら相当恥ずかしいよね…

向井「…A」

　「なぁに？こーじく＿」

　“ギュッ…”

　こーじくんの方を振り向こうとした時、こーじくんに後ろからハグをされた．

　頭をポンポンとされて．

向井「…本当の家族はおらんくても、俺たちを家族だと思ってええんやで．

　辛いことがあっても、俺たちが側におる」

　ヤバい、こーじくんが優しすぎてまた泣きそう…

　「…ありがとう、こーじくん．

　でも、私はみんなの家族にはなれないよ．

　こーじくんたちにはそれぞれ大切な家族がいる．

　私はその中に入っちゃダメなんだよ」

　みんなには私以外にも大切に思っている人がいる．

　それがきっと家族なんだ．

　私がそれの邪魔をしちゃダメ．

向井「じゃあ、Aはどこにおるん？」

　「…私はいつだってSnowManの中にいる．

　家族とは違う別の居場所があって、家族とは違う形の愛をもらえる．

　それだけで、すごく幸せなんだよ？」

向井「A…いつからそんなカッコええこと言えるようになったん？」

　「カッコよくないよ笑．

　 …改めて、私には家族がいない分、他のたくさんの人に愛されているんだなって思っただけだよ」

向井「そんなん当たり前やろ！」

　お父さん、お母さん．

　私はこんなにも素敵な人に出会えて、とても幸せです．

　これからも頑張ります．