85.潤んだ瞳 ページ40
岩本side
岩本「聞きたいことは山ほどあるんだけど…
まず、俺に何個嘘をついた？」
「えっと…2個くらい…」
岩本「それも嘘だよね？」
「うっ…」
なぜか俺がソファに座って、床で正座をするA．
下をずっと向いていて、俺と全く目を合わせようとしない．
岩本「…なんで相談してくれなかったの．
そんなに俺たちが頼り無い…？」
「違うっ…！これくらいは私だけで何とかしなきゃって…」
岩本「何とかなってねぇじゃん…！
あの時俺が来なかったら、今頃Aはどうなってたことか…！
殺されててもおかしくなかったんだぞ…！？」
「…」
下を向いたままのAは黙りっぱなしで．
顔は見えないけど、多分泣いている．
怒っている俺が怖いのか、さっきの男が怖かったのか…
岩本「…A、顔上げて」
「…やだ」
岩本「…じゃあ上げさせる」
Aの頬を摘んで、顔を俺の方に向ける．
強制的に俺と目を合わせられたAの潤んだ瞳．
「照くん…ごめんなさい…！」
俺の真剣な眼差しに怯えたのか、またポロポロと泣き始めた．
違う、俺はこんなAの泣き顔が見たい訳じゃない．
俺はAの綺麗な瞳を見たいんだ．
岩本「…A」
「照くっ…」
“チュッ…”
また泣きそうな目をしていたから、俺はそれを止めるように唇を奪った．
岩本「1人で何とかしなきゃとか、そういうのはダメ．
そんなこと考えるの、俺たちには逆効果だから．
Aが心配なんだよ…」
「ぐすっ…ごめんなさい…」
岩本「もう謝らないで、ね？」
Aにあの男の臭いがついているのが嫌で、俺の匂いで染め直すようにキスを続けた．
岩本「A、もっと舌出して…？」
「んっ…ぁ…」
Aに呼吸の暇も与えないくらいに口を塞ぐ．
怖がって潤んでいた瞳が、今度は俺に溶けるようにとろんとした瞳に変わる．
色っぽいAが目の前にいて、抱きたくなる衝動を抑えられるはずが無くて．
そのまま2人で夜を越したって訳．
「照くん、ありがとう…助けに来てくれて…」
照「大丈夫、Aが無事で良かったよ」
「…へへっ」
潤んだ瞳で下手に笑うA．
もう嘘なんてついてほしくないし、嘘なんてつかせない．
それくらい、俺たちが側にいてやるんだ．
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あたりん(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (3月24日 16時) (
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作者名：絢音 | 作成日時：2024年3月6日 22時
