83-2.嘘 ページ38
岩本side
あの手紙は明らかにイタズラが目的じゃない．
完全にAのストーカーだ．
Aが嘘をついていることなんてすぐわかる．
なのになぜ俺はあの時問い詰めなかったのか．
それは…あの時、Aを疑いたくなかったからだ．
Aは絶対に嘘をつかない性格だけど、あの手紙に関しては絶対に嘘．
それにもし本当に友人のイタズラだったら、『Aを疑った』という事実がAを深く傷つけることになる．
この間の飲み会帰りでもそうだった．
…俺はそれに怖気付いたんだ．
でも本当にストーカーが関わっていたら大変なことになる．
岩本「…またAを泣かせるのか、俺たちは」
非力な自分が本当に情けない．
とりあえず今は様子見だ．
それで、しばらく経ったらAに聞いてみよう．
もしかしたら本当に友人のイタズラで、止まっているかもしれないし．
1週間オフの終わりかけ、俺はAをご飯に誘うためにメールを送った．
岩本“A、お疲れ様．
オフは有意義に使えてる？
もし今日予定が無かったら寿司でも行かない？”
いつもならすぐに行くという返事が来るはずだけど…
“誘ってくれてありがとう！
でもごめんね、ちょっと今日体調が悪くて…”
と断りの連絡がきた．
岩本“お見舞いに行くよ．
何か欲しい物はある？”
“全然大丈夫だよ！
必要は物は家にあるし、照くんは休んでて！”
と頑なにお見舞いも断られて．
無理に行く必要も無いかと思って、俺は家にいることにした．
でももし、この返事も嘘だったら…
本当は俺に来てほしいけど、何か理由があって嘘をついてまで断っているのか…
それがもしAのストーカーが関わっているとしたら…！？
何をどう考えても、不安は大きくなっていくばかり．
俺は居ても立っても居られず、気づいたらAの家に向かって車を走らせていた．
「必要な物は家にある」という言葉も嘘に感じてきて、Aの家の近くにあるコンビニに車を停める．
なるべく急いでスポーツドリンクやおかゆ、ゼリーなどを買ってコンビニを出た．
Aの家まで遠くないし、走って行こう．
俺はビニール袋を持って走り出した．
Aの住むアパートに繋がる裏路地を走り抜けようとらした時．
「やだ…やめて！離して…！」
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あたりん(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (3月24日 16時) (
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作者名：絢音 | 作成日時：2024年3月6日 22時
