白雪姫は夢を見る Ⅲ (ページ33)

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81-1.乾杯ページ33

ラウールside

佐久間「すぅ…俺たちの最高のライブ完走を祝ってカンパーイ！」

全員「カンパーイ！」

　佐久間くんのいつもの早口乾杯言葉で、ジョッキを掲げて乾杯をする．

　みんなはお酒だけど、俺とAちゃんだけジンジャーエールなのはいつものこと．

　本当はお酒を飲みたいんだけど、俺たちはすぐ酔っちゃうから我慢．

　「ラウ、乾杯！」

ラウ「うん、乾杯！」

　“カランッ”

　隣にちょこんと座るAちゃんと乾杯をして、一緒にジョッキに口をつける．

向井「今回も大成功やったな〜！」

岩本「ほんと、みんなお疲れ様」

渡辺「マジでもうしばらくはいいかも笑」

阿部「翔太の体ガチガチだったもんね笑」

佐久間「でもマジで楽しかったよなー！」

　お酒が入って絶好調なみんなに反して、俺たちは静かにライブを振り返る．

ラウ「Aちゃん、アドリブたくさん入れたでしょ？」

　「えへへっ、楽しくなっちゃって！

　バク転もみんなの前で披露できて良かったよ！」

ラウ「そうそう、バク転！

　あれはすごかったよ〜」

　疲れているはずなのに、Aちゃんは華麗なアクロバットをいくつも披露していた．

　それを見て俺もテンションが上がっちゃって、一緒に激しいダンスを踊ったりした．

　「お客さんもたくさん盛り上がってくれてたし、またやりたいな〜！」

ラウ「そうだね！」

　ニコニコと笑うAちゃん．

　Aちゃんのパフォーマンスは本当にすごかった．

　男女関係無く虜にしちゃって、俺たちの中の誰よりも輝いていた．

　「みんらカッコよかっらよぉ！」

　…あれ？Aちゃんの呂律が回ってない…？

　…ヤバい、Aちゃんのジョッキの中身がお酒だ！

　もう飲み干してるし…！

宮舘「俺のやつジンジャーエールなんだけど笑」

ラウ「あ…！」

　Aちゃんの前に座ってる舘さんとジョッキが入れ替わってる…！

渡辺「頼み直すか？」

宮舘「頼んだ」

　Aちゃんのやつってわかってないし…

　Aちゃんって本当にお酒弱いからなぁ…

ラウ「Aちゃん、大丈夫？お水飲む？」

　「……」

　顔が火照っているAちゃんが、俺の顔をじーっと見つめてくる．

ラウ「Aちゃん…？」

　「…ずるいよぉ…」

ラウ「ずるい…？」

　俺が聞き返すと、Aちゃんがゆっくりと俺に抱きついてきた．