雪降る夜に誘う夢【雪/黒】 (ページ4)

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ラ「Aちゃんはどうなの？」

「どうって…？」

ラ「クリスマス！」

そう言うと、キラキラと無邪気に目を輝かせる。

「いや…私も何も…」

私なんか、誘ってもらえるような男友達すらいない。

きっとクリスマスも、いつもと変わらずバイトをしているか、課題に追われているかだと思う。

ラ「そっかぁ…じゃあおそろいだね、俺たち。」

虚しさに包まれそうになった私の心を、彼の笑顔が引き止めた。

これは女の子から人気がないはずないんだよね…

「そうだね、おそろいだから寂しくないや！」

ラ「うん！」

彼を見上げて目を合わせ、微笑み合う。

.

"ラウくん、ちょっとこっち手伝ってもらえるー？"

ラ「あ、ハイ！すぐ行きます！」

手を振って、彼の背中を見送る。

たぶん、ホールの方に回ったんだろう。

らうちゃんが目当てでお店に来るお客さんもいるって聞くし…

実際、彼がホールにいるとお客さんが増える。

背も高くてスタイルがいいからモデルさんみたいだし、明るい髪色に白シャツがよく似合う。

そういえば…

夢に出てきた不思議なあの人も、同じくらい背が高かった。

まぁ、あんまりハッキリ覚えてないんだけど…

らうちゃんが白だとしたら、あの人は黒。

なんて考えながら、ずり落ちたエプロンの肩紐を直した。