雪降る夜に誘う夢【雪/黒】 (ページ24)

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ラ「えっ！？それほんと！？」

らうちゃんが、私の話を聞いて声をあげる。

私もうんうんと大きく頷いて見せた。

ラ「……行ってみるしかなくない…？」

「え…！？」

一瞬の沈黙のあと、今度は、声を潜めてそう言った。

「いや、だって、夢で見ただけなんだよ…？確証もないし…」

ラ「偶然にしては繋がりすぎてる。」

…彼の言うとおり。

いや、実は自分でもきっとそう思ってる。

「で、でも、もし会ったとして、それからどうするの？」

ラ「んー…それは…わかんないけど…」

「でしょ…？」

ラ「でも行かないともったいない。」

私の目を真っ直ぐ見つめてくる彼の目は、純粋ながら力強い。

「行っても、あの人がいるかどうか…」

ラ「それも行ってみないとわかんないじゃん。」

運命の王子様が迎えにくる……なんて。

そんなメルヘンなおとぎ話を本気で信じる歳は、とっくに過ぎてしまったけれど。

あんな不思議な体験、無視できるはずもない。

一体、なにが私とあの人の夢を繋げたのか。

どうしてあんな夢を見たのか、わからないけれど。

行ってみる価値は…ある。

「らうちゃん。」

そう呼びかけただけで、彼は大きく頷いた。