雪降る夜に誘う夢【雪/黒】 (ページ17)

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episode.17 ページ17

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ラ「Aちゃんっ、こないだありがとう…！楽しかった…！」

「…うん！こちらこそ…」

バイトの休憩室。

周りに配慮してか、声をひそめて彼が話しかけてきた。

「あの…さ。」

ラ「ん？」

「どうして私のこと誘ってくれたの…？」

ラ「え？Aちゃんと行きたかったから。」

きょとんとした顔で、彼はそう答える。

…一瞬でも変に深読みした自分が恥ずかしくなってきた。

ラ「えっ、嫌だったのもしかして…」

「違う違う！！夢でちょっと気になること言われたからさ…」

ラ「夢…って、前に言ってた？」

「…そう。」

ラ「ええ！？またその同じ夢見たの！？」

らうちゃんは、大きな声を出して驚き、慌てた様子で口を手で塞ぐ。

顔を見合わせて笑いあってから。

もう一度声をひそめて、夢であの人に言われたことを話した。

雪が降る夜にみる、不思議な夢。

らうちゃんと見に行ったイルミネーションに似ていた…ということは言えなかったけど。

ラ「まって…運命の人確定じゃん…」

「いやいや！どこの誰かもわからないんだよ。」

ラ「めっちゃいい。超ロマンチック。その人探し出したいんだけど。」

なんて言いながら、私よりも目を輝かせる。

ラ「てか、今日の夜雪予報じゃん！！もっといろんなこと聞き出してきてよ！！」

「そんなの無理だよ！」

ラ「なんで！」

「そこまで夢の中のことコントロールできないもん…」

なんて話しているうちに、私の休憩が終わってしまった。

「やば、時間！」

ラ「え～オレが1番モヤモヤする～！」

と、足をバタバタさせるらうちゃんに微笑みかけて、休憩室を後にした。