彼等に夢みる

本当に男の子？ −涼太 ページ25

今日、番組で共演するSixTONESから、かのこが怪力だったという話を聞いた。


どうやら、SixTONESみんなが重すぎて持てなかった荷物を、かのこは軽々と運んでいた、だとか。




なるほどね、それは各現場で周知されていることだから、顔や声は可愛くても、「あ、コレは男だ」ってなるわけか。





…にしても、女の子の荷物も持ってあげれないなんて、情けないな。



かのこのためにも、これからもっと鍛えよう。


そんなことも考えながら、番組セットの前で休憩時間を過ごしていると、

　



ラ『あっ、かのこちゃん』



その言葉に反応した翔太が、はっとした顔で背筋をシャンと伸ばし周りを見渡してかのこを探す。…犬みたいだ。



ラウールはかのこの元へ走って行って抱き着いた。



かのこもラウールをよしよししながら、こちらに向かって歩いてくる。重そう。


　


『皆さんお疲れ様です』


康「わ〜〜かのこやあーー！充電させてーな」


こうじも近づいてきたかのこの腰に手を回して、後ろから抱き着いた。




岩「ちょっとここ楽屋じゃないから」


照がベリっと二人を引き剥がすと、「えーん」と言いながら二人とも自分の座ってたところに戻る。




『えっもう何ですかめめ』


小声でそうかのこが言ったのが聞こえ、視線を向ければ、無言で座っていた目黒がかのこの右手を握り、じっとかのこのことを見上げていた。


かのこもあたふたしている。



…今までは、そういうことされても、軽く流していたように見えたのにな。
　
そんなやりとりに疑問を覚えながらも水を飲んでいると、ジェシーがこちらにやってきた。



ジェ「やあやあ」

深「おお！おつかれ！」

ジェ「ちょっとかのこくんに会いにね⭐」

深「かのこだけかよっ！」



みんなで笑っていると、ジェシーのさらに後ろからSixTONESみんなが集まってきた。



京「かのこくーん！さっきすっげえかっこよかったよ！俺も筋肉つけるぜ！」

樹「きょもはそのままでいいのに…」

森「でもやっぱり顔も身長もかわいー男だって信じらんねー」

ジェ「胸とかあんじゃね？」


HAHAと笑いながら、ジェシーはかのこの両胸に手を置いた。



『えっ…』





…両胸に、手を置いた……？！




場が凍りつくとは、まさにこのこと。

かのこが戸惑いながらも、「あるわけないじゃないですかっ」とジェシーの手を下させる。



ジェ「いでっ」

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