彼等に夢みる

修羅場 −涼太 ページ17

突然の樹の登場に、徐々に焦り始める俺たち。

やばい、今の会話ってきこえてた？


森「おっやっぱりSnowManじゃん！」
京「お、本当だ」

樹の後ろから、慎太郎と大我もひょこっと顔を出す。二人ともSixTONESだ。



深「あ、いやーこれはさ」

森「さっき、かのこー！って叫んでるの聞こえてきたけど、その人最近マネージャーしてるちっちゃい子でしょ？」

京「なに、その子なんかやらかしちった？」

「いや、そういうわけではないよ」


これはかのこの名誉に関わると思い、咄嗟にその点については否定。みんなも大きく頷いた。



樹「……実際どうよ、その子」





…樹の、この感じなんだろう。
違和感を覚え、照やふっかをみると、二人もやや眉間にしわを寄せていた。

挑戦的な感じというか、威圧的というか。

京「…じゅり？」

樹「ん？」


大我の心配そうな顔を見て、樹は少し笑い、

樹「ははっ、シンプルに知りたいだけだから！なんでそんな顔で見んの？」

森「びっくりした、俺らのマネさんだいぶ仕事に戸惑ってるから、じゅったんイライラしてSnowManのできるマネと取り替えようとしてんのかと「んなわけねぇだろ！笑」…あっはい」

樹がつっこんでいつも通りに戻ったように見えて、少し安心した。


…にしても、さっきのはなんだった？



康「まあー心配せんでもかのこくんはよくやってくれてるでー」

岩「ふはっ、なんか康二、上からだな」

京「というかその子本当に女の子みたいだよね！」


いや、今まで疑問だったが、なぜみんなにそこまでバレないのか？
やっぱり事務所的に、マネージャーに女子がいるなんて欠片も思わないからだろうか。

にしても名前が女の子っぽすぎるだろう。
声だって、男にしては高い方だと思うし。
まあ問題の8割は身長だと思うけど、誰も疑問に思わないのが不思議だ。

まあ何かあった時は全力で俺がフォローするけど。


かのこの件についてみんなが盛り上がる中、一人で黙々と考えていたら、慎太郎と大我は満足したのか、「バイバーイ」とシャワー室の中へ消えて行った。



残された樹は、ゆったりとシャツを脱ぎ、こちらを振り返って、
鋭い瞳で俺たちを見据える。









樹「…かわいいよね、かのこ」







ちょっと笑って、そう呟くように言った後、「じゃね！」といつもの樹に戻ってパーっと服を脱ぎ、シャワー室に入っていった。


…なんだったんだ、今の。

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