検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:2,835 hit

1話 誕生 ページ1

no side

1997年5月20日(火)

午後3時頃、北海道某市の産婦人科の分娩室で赤ん坊の元気な産声が聞こえた。
性別は女の子だ。

母親で管理栄養士の中村 泉〈なかむら いずみ〉は出産を終え、完全個室の洋室ベッドで休んでいる。
新生児ベッドには産着を着ている赤ん坊がいて、気持ちよさそうに眠っている。

父親でカメラマンの中村 大地〈なかむら だいち〉は新生児ベッドの近くにいて、生まれたばかりの赤ん坊を見ている。

大地「かわいいな…」
泉「そうね」
赤ん坊「ん〜…」

赤ん坊は目を覚ました。

泉「あら、起きちゃった?」

赤ん坊は大地と泉を見て、返事をするようにキャッキャッと笑った。

泉「そういえば、大地。名前考えてくれた?」
大地「もちろんだよ」

大地は赤ん坊の方を見てから、泉の方を見た。

泉「どんな名前にしたの?」
大地「平仮名で…。“みゆき”っていう名前にしたいんだ。どうかな?」
泉「“みゆき”…?」

大地は再び赤ん坊の方を見た。

大地「この子が君のお腹に宿って、生まれて来てくれることが“幸せを運んで来てくれた”と感じたんだ」
泉「“幸せを運ぶ”…」
大地「辞書によるけど、“幸運”の“幸”の読み方が書いてある他に人名の読み方のところに“みゆき”って書いてあるのを見て決めたんだ」
泉「大地…」
大地「あっ…。嫌だったかな?」
泉「ううん。素敵な名前を考えてくれてありがとう!」
大地「泉…」
泉「今日からあなたの名前は“みゆき”よ」

赤ん坊は“みゆき”と名付けられたのが嬉しかったのか、再び返事をするようにキャッキャッと笑った。

泉「ふふっ。みゆきは私達が言っていることがわかるのかしら?」
大地「そうかもしれないね」

大地は立ち上がった。

大地「ロビーに電話ボックスがあるから、実家にみゆきが生まれたことを電話して来るよ。泉のお義父さんとお義母さんにも電話して来る」
泉「えっ…」
大地「すぐに戻るよ」

大地は病室のドアを開閉し、電話をかけに行った。

みゆき「う…。うぇぇぇ〜ん!!」

みゆきは泣き出してしまった。

泉「あっ、は〜い!」

泉は新生児ベッドで泣いているみゆきの所に行き、抱っこした。

みゆき「え〜ん!」
泉「ごめんね。パパはみゆきが生まれたことが嬉しくて、おじいちゃんとおばあちゃんの所に電話をかけに行ったのよ」
みゆき「ん〜…?」

みゆきは泣き止んだ。

2話 「パパ、頑張るよ」→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ:人間関係 , アニメ , 声優
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:よっちー | 作成日時:2017年8月7日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。