ポムフィオーレにいるお兄さん

34話 ページ34

結局、リバーシは30分くらいで終わってしまった。


「A氏、強すぎるでござる。だいぶ粘ったつもりだけど、30分しか経ってない。」


勝ったのは私だった。


『いや、イデアくんも強いと思うけどな。私がここまで頭を使ったのは初めてかもしれない。』


石を片付けながら言う。


「いつか絶対に勝つから。」


フフフ、いい心構えだね。


『次は何をしようか。』


イデアくんとボードゲームをするのは楽しいね。


いつもは聞けないこともたくさん聞けるから。


「…あの、A氏。」


イデアくんは、少し恥ずかしそうに言う。


「どうして僕に話しかけてくれるの？」


…どうして、ねぇ。


『単純に、君のことが知りたかったからかな。一緒にいると面白そうだったから。』


それに友達を作りたかったからね。


ちなみにヴィルは友達だけど、友達以上、親友未満のような関係だよ。


「そうなんだ。…その、ありがとう。いつも話しかけてくれて。」


急に言われると、結構照れるものだね。


「最初は陽キャラみたいな感じで苦手だったけど、いつも僕に話しかけてくれたり、移動教室でも一緒に行ってくれて嬉しい。」


少しぎこちないけれど、そう言ってくれた。


『こちらこそありがとう。私も君とどんどん話せるようになってきて嬉しいんだ。』

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