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いつも行くようなガヤガヤした居酒屋じゃなくて、雑誌に載っているようなお洒落なお店に連れてきてくれた隆二。
『こんなお店知ってたの?』
『俺を何だと思ってんだよ』
ちょっとムッとしちゃった隆二に慌てながら弁解をする。
『そ、そうじゃなくて、いつも居酒屋だからさ』
『ん。なんか…今日の話は居酒屋で聞いちゃいけない気がしたもん』
もん?
もんって言った?
目の前でお手拭きで遊んでいる隆二に口許が綻ぶ。
仔牛のなんとかってのをオーダーしてくれて…
なんとかが大事な気もするけど、難しそうな名前だったから、そこはスルー
『で?改まってなに?』
『うん』
『こないだから、こういうの多くない?
まだなんか不満でもあるの?』
不満ってわけじゃないんだよね。
強いて言うなら、決意?
『あ、あのさ!』
『うん。聞いてるよ』
とか言いながら、お肉ばっか見てんじゃん!
『やっぱりさ、やめた方がいいかなって思って……』
『は!?』
わりと大きめのお肉を口に放り込んだ隆二の目がスッと細くなって、私は背筋に冷たいものが走った。
カチャンとナイフとフォークを置いた隆二が真正面から私を見据える。
お、落ち着いて!
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作者名:花梨 | 作成日時:2018年4月1日 12時