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晴れてカップルになった私達。
登坂くんとは前と変わらずのお付き合い
といっても、隆二が威嚇するからデスクに座ってる時だけ話す感じかな。
『お前みたいな鈍感なやつのお守りは大変だろうな(笑)』
そう言って笑ってる登坂くんにも悪いことしちゃったのかなって反省中なんです。
『A!帰るぞ!』
今日もシステム開発部のフロアまでお迎えに来てくれた隆二と会社を後にする。
『お前、デスク変われよ!臣と隣だろ?』
『そんな事出来るわけないじゃん!』
喧嘩一歩手前の言い合いをしながら帰る道は、今までと違って、キラキラしてて楽しい。
『今日の晩めし何?』
『え?今日も食べてくの?』
『は?当たり前だろ』
『は?何が当たり前よ!』
スーパーでカゴを持ってまた言い合いになる。
でも、それも楽しいの。
マンションに帰ってきて、隆二はお料理しないから、私が全部しなきゃなんだけど、美味しいってたくさん食べてくれるから作り甲斐あるしね。
なのに…
『食費ください』
『は?』
テーブルを挟んで睨み合う。
いつもビビっちゃう私が折れるんだよね
『嘘だよ』
『いや、今のはマジのやつ!』
結局、食費の話はうやむやになって、ご飯を食べ終わっても帰る素振りを見せない隆二がソファーにふんぞり返ってるの。
『帰んないの?』
『いいからこっち来いって』
伸ばされた手を取って隣に座ると、イタズラっ子隆二がいなくなって、隣には男の顔をした隆二が座ってる。
『週末、実家帰ろ?』
『一緒にっ!?』
『当たり前!報告しなきゃな』
うんって頷いたまま俯いた私の顎を、隆二の綺麗な指がそっと上に上げる。
ゆっくり近付いてきた隆二と交わす、紛れもなく恋人のキス。
深いのに優しくて
それだけでとけちゃいそうになる。
ちょっと髭が擽ったいけど……
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作者名:花梨 | 作成日時:2018年4月1日 12時