昨日の敵は今日も敵？ (ページ28)

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翌朝、懐かしのピンポン連打(笑)

『おはよ』

『あれ？早くね？』

玄関を開けると、隆二がビックリしてた。

『準備しとけって言ってたじゃん』

『まぁそうだけど…』

久しぶりの同伴出勤
隆二はガキ大将を封印して、めっちゃ紳士

調子狂う(笑)

会社のエレベーターで登坂くんに会った。

『おはよ。なんだよ復活？』

『おはよ。復活って？』

隆二が登坂くんに、ニッと笑うと、登坂くんは大袈裟にため息をついてた。

この二人の空気に入れなくてなんか面白くない。
私よりも隆二の事分かってる気がするんだもん。

３階で隆二が降りると、登坂くんがスッと隣に立つ。
しかも耳元で

『仲直りすんの早すぎ』

って

『別に喧嘩してないし』

『今回もダメだったか……』

登坂くんは独り言のように呟いてエレベーターを降りていった。

その日から、隆二が外回りじゃない時はお昼休憩を一緒に過ごす。

たまーに、女子社員にどっちかが呼び出されたりして……

『今日も呼び出されたな。隆二』

『うん…』

なんかね、モヤモヤするの。
登坂くんが呼び出されたら、ニヤニヤしてられるのに、隆二が呼び出されるとソワソワしちゃう。

そんな私を見て、登坂くんがニヤニヤしてる。

『夜誘うと隆二に怒られるから今言ってい？』

『な、なにを？』

『あん時、別れた理由…』

『え？今？』

ビックリして目を見開いた私を散々笑った後、登坂くんは衝撃の発言をした。

『あの頃も、こうだったんだよ』

『え？』

『お前は、いつも隆二の事ばっかりで、俺の気持ちなんて全然だった。だから別れた。』

『ちょ、ちょっと何言って…』

『お前がさ、自分の気持ちに気付かないならその隙に自分のもんにしようと思ってた。でもさ、やっぱりそれじゃダメじゃん。』

真っ昼間の社食で聞く話じゃないような気がする。

『お前が気付かないなら俺が言ってやるよ
お前は隆二が好きなんだよ。あん時から…
いや、違うなそのずっと前から』

うそ……

ちょうど隆二がこっちに戻ってくる姿が見えた。

『じゃあな！俺らの関係は今まで通り友達で！』

私の頭に、ポンっと手を置いた登坂くんがトレイを持って立ち上がった。

隆二と少し立ち話して立ち去る登坂君の背中を見送った。

目の前には、フニャッと笑った隆二がいた。