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それから夜遅くまで思い出話に花を咲かせた。
『楽しかったよなぁー』
『うん!今考えたら、私の思い出にはいつも隆二がいたんだね』
私がそう言うと、隆二が熱っぽい視線で見つめてきた。
おっと!
こ、これは……ヤバいヤツじゃない?
『りゅ、隆二?』
『俺の思い出にもずっとAがいたよ?
これからも一緒にいたいと思ってる』
『………うん』
『…ってことで帰るわ!』
え?
『このままここに居ると、臣みたくなっちゃうからさ。俺は、お前が俺を好きになってくれるまで手は出さない』
なんかキュンってしたじゃん
『あ……うん。何か ありがと』
『じゃあな』
玄関で靴を履いている隆二の背中に声をかけた。
『うん。気をつけて帰ってね。
明日、また会社で…』
『は?』
は?
え?
『明日からまた迎えに来るから
準備しとけよ』
『あ、う、うん』
ガキ大将みたいだった隆二が、急に大人の男に思えて戸惑う。
『隆二!』
エレベーターに向かってる隆二を呼び止めた。
けど、呼び止めて私は何を言おうとしたのだろう…
『……おやすみ』
『ふっ(笑)変なやつ…おやすみ』
隆二は手をヒラヒラさせてエレベーターに消えた。
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作者名:花梨 | 作成日時:2018年4月1日 12時