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私に跨がった登坂くんが色っぽい眼差しで見下ろしている。



『今日はしっかり覚えてろよ?』



そりゃ、前回、前々回(何年も前)と、酔っ払ってたから覚えてないけど
今 言わなくてもよくない?


ぷっと頬っぺたを膨らますと、クスッと笑った登坂くんがゆっくり降りてきて、何度も何度もキスをした。



流されてるって分かってるのに拒めない。
それは、わけのわからないまま別れてしまった事で、私の中に残っていた恋心のせいだったのかもしれない。




今まで経験した中で、一番優しくて想いのこもった行為だった。



狭いシングルベッドに、ぴったりと寄り添って寝ている姿は恋人のそれだけれど、私達のこの関係は、そう言ってしまっていいのか
隣の登坂くんに目をやると、眠そうな目をして私を捉えてた。



何回か寝たからといって、関係を明確化するほど若くもないし野暮でもない。
駆け引きとか出来るタイプでもないから、自分からは何も言わない。
これからも……



だって、登坂くんは、私がどう思ってるのか聞いてこないんだもん。
聞く必要がないのか
聞きたくないのか

年齢のわりに恋愛経験の少ない私には、どうしていいか分からない事だらけ。

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作者名:花梨 | 作成日時:2018年4月1日 12時

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