Without remorse…？ (ページ10)

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10 ～ CY side ～ページ10

Aに別れ話を切り出されてから明日でちょうど1週間。

俺はひたすらAに連絡し続けていた。

しかし、カトクは既読スルーされるし、電話に至っては着信拒否。こんなことになったのは初めてで、さすがの俺もヤバいと思い始めていた。

時間が経てばAの気持ちも落ち着いて、いつものように丸く収まる。

そう目論んでいたのだが、その気配は一向にない。俺はここ2日ぐらい、まさか本気で別れるわけねぇよな？と、答えのない自問自答を繰り返しては溜息を吐き、思い悩んでいる。

仕事中も気付けばAのことを考えていて、今更ながらに俺はAに相当惚れ込んでいたんだなあと再認識した。

その日の帰り道。退社した俺に事の発端となった同期の女が着いて来て、なんとなく一緒に帰っているような感じになる。勝手に腕に纏わり付いてきて気持ち悪いが、Aとの今後のことを考えていて頭がいっぱいの俺は、特に抵抗もせずぼーっと歩いていた。

『最近のチャニョル君、元気ないね？』

CY「…誰のせいだと思ってんだよ」

『もしかして彼女と何かあった？』

CY「だったら何？どうにかしてくれんの？」

『チャニョル君の同意の上での浮気でしょ。私だけのせいじゃないじゃない』

女の言うことは確かにその通りなのだが、面と向かって指摘されるとカチンとくる。

俺はこれ以上無駄な会話をしたくなくて、女のことを無視した。今はこんな女に構っている暇はない。Aとのことをどうにかしなければならないのだ。

『またホテル行く？気持ちよくなったら色々忘れられるかもよ？』

CY「行かねーよ」

『えー？なんでー？』

CY「それどころじゃねーの。つーかなんで着いて来てんだよ」

『ひどーい。私とチャニョル君の仲なのに』

そう言ってわざとらしく胸を押し付けてくる女に嫌気がさした。

なんでこんな女になびいてしまったのだろう。やはり酒を飲み過ぎたせいで頭がおかしくなっていたのだろうか。そうとしか考えられない。
そもそも、俺と女の仲って何だ。

たった一度そういうことをしたぐらいで、俺の心を射止めたとでも思っているのだろうか。もしもそうだとしたら、勘違いも甚だしい。

いい加減にしろ、と。

そろそろ不愉快さが限界に達してきた俺が、ベタベタしてくる女を引き剥がそうとした、その時だった。