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翌朝。
薄っすら目を開けると隣にいたはずのAがいなくなっていて、慌てて飛び起きた。
まさか昨日の、これが最後って、して終わりとかそういう意味じゃねーよな？と、焦って寝室を飛び出すと、食欲をそそる良い匂いが鼻腔を擽る。
台所にはエプロンをつけたAがいて、パンツ一丁で飛び出してきた俺を不思議そうに見ていた。
良かった。どこかに行ったわけじゃなかった。たったそれだけのことに、ホッと胸を撫で下ろす。
「おはよう。そんなに慌ててどうしたの？」
CY「いや…Aがいねーから…」
「朝ご飯作ってたの。昨日、何も食べずに寝ちゃったからお腹すいたでしょ？」
チャニョルの好きなわかめスープ作ったんだからねー、と言いながら朝食の準備を進めるAを見て、俺は途轍もなく幸せな気分になった。
あんなことがあったのに、Aは今、何事もなかったかのように朝食を作ってくれている。こんなに幸せなことがあって良いのだろうか。
俺はとりあえずシャツとズボンだけ身に纏うと、台所にいるAを背後から抱き締めた。ご飯準備できないんだけど、と抗議してくるAの発言は聞こえないフリだ。
どうしようもなく愛おしくて、離したくなくて。気付けば俺はAを抱き締めたまま、耳元で囁いていた。
CY「俺と結婚して」
「えっ…」
CY「一生、俺のもんでいて」
「…そういうことは、もっとムードのあるところで言ってほしかったなあ…」
そう言いながらも顔を綻ばせているAは、俺が見る限りちっとも嫌そうではなくて。何回でもプロポーズするから頼むってもう一度囁いたら、良いよと返事をしてくれた。
間違いばかり、過ちばかり積み重ねてきた俺だから、これからは一生かけてAを幸せにしてやる。そう心に誓って、俺はAに、愛してるが伝わるように口付けた。
" Without remorse…？"
"自責の念を感じないで、容赦なく…？"
End.
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作者名：にょるなび | 作成日時：2018年2月20日 19時
