Without remorse…？ (ページ15)

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恐らく、チャニョルが私の家に来るのは数ヶ月ぶりだ。そもそも、会う頻度が少なかったから、この家に来ること自体数えるほどしかないかもしれない。

あまり長居されるとチャニョルの香りが残ってしまいそうな気がして、私はコーヒーだけ用意するとリビングで待つチャニョルの元へ向かった。

なぜかソファにも座らず立ち尽くしているチャニョルに、座れば？と声をかける。Aも座るなら座る、と言うので渋々ソファに腰を下ろすと、隣にチャニョルも腰を下ろした。大きめのソファの左右の端に座り、真ん中には不自然な空間があって、まるで今の私達の関係を表しているようだ。

「話って何？」

CY「前…うちで話した時も言ったけど。もう浮気しねーし、あの女とも関わらない。だから別れたくない」

「…私も、前に言ったけど。そんな言葉はもう聞き飽きたの。信じられない。だって、何回も裏切られたから」

CY「それは本当に悪かったと思ってる。だから、これで最後にするから…な？」

「無理だよ。もう。私、チャニョルの気持ちが分かんないもん…」

拒絶に拒絶を重ね、チャニョルは押し黙る。私がここまで許さないとなると、チャニョルに為すすべはないはずだ。きっと、諦めざるを得ない。

私は早くここからいなくなってほしくてたまらなかった。話が終わったなら帰ってほしい。そうしてくれなければ、堪えている涙が溢れてきそうだから。

私の気持ちをよそに、チャニョルは動かず俯いている。

話が終わったなら帰って。

そう口を開きかけたところで、チャニョルがぽつりぽつりと話し始めた。

CY「Aはいつも、俺が何しても怒んねーし、優しいし、だから謝ればなんでも許してもらえるって思ってた」

「…そうだろうね」

CY「俺のこと好きだって言ってくれるから、自惚れてた。一緒にいるだけで幸せそうに笑うから、俺からは何もしてやらなかった」

「……」

CY「こうなって初めて、Aをすげー苦しめてたってことに気付いた」

チャニョルなりの懺悔なのだろう。自分のやってきたことを反省してくれたことは、素直に嬉しいと思った。

けれど、もう遅い。懺悔など、何の意味もないのだ。今までの辛さも悲しみも苦しみも、消えることはないのだから。