Without remorse…？ (ページ2)

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女の提案に耳を疑う。俺に彼女がいることは既に知っている。それなのにそんな誘い文句を言ってくるということは、俺に気があるのだろうか。

正直、とても美味しい状況だ。

彼女がいることを知った上で俺と関係を持っても良いと思ってくれて、オマケに自分から誘ってくるような積極的な美人が、目の前にいる。男なら誰でも心を擽られるだろう。

CY「俺、彼女いるけど？」

『知ってるよ？』

CY「だよなぁ…」

『それでも良いよって言ったら？』

CY「…俺に気があんの？」

『分かってるくせに』

どうやら俺の予感は的中したらしい。他のヤツらには見えない机の下で、女の手が艶かしく俺の足を撫でる。

最近、Aとはご無沙汰だったし、溜まっているのは事実だ。
Aにはバレなきゃ良いし、たとえバレたとしてもいつものように謝ればどうにかなるだろう。

そんな甘い考えが頭をよぎる。酒が回っているせいもあって、俺の思考回路は大分どろどろだ。

CY「彼女にバレねーようにできる？」

『もちろん』

CY「ふーん…じゃあ、お試しってことで」

『ほんと？いいの？』

CY「誘ってきたのはそっちだろ」

女は少し驚いた後、妖しく笑った。

あとでね、なんて耳元で囁くものだからたまらない。

Aは恥ずかしがり屋だから基本的に誘うのはいつも俺の方からで、女の方から積極的に誘ってくるというのは新鮮だ。だからこそ興奮する。

ほんの一瞬、Aに申し訳ないなとは思ったが、そこは男の欲が勝ってしまって、あとでどうにか取り繕えば良いかと、あまり深く考えなかった。というか、考えられなかった。