５３☆ ページ13
『今の俺を見て。』
そう言った二宮先生の目は真っ直ぐ私の目だけを見ていて、その濁りのない目は彼の真剣さを伝えてくる。
「…とは言ってもね…そう簡単にできる事じゃないだろうし…徐々に俺の事知っていってくれればいいから。」
「…はい。」
頷いた私を優しく細めた目で見つめ頭を撫でられる。
二宮先生の厳しい言葉と口調に、怒らせたと身を竦めたけど、二宮先生は怒ったわけじゃなくて私を諭しただけ。
「んじゃ今からは楽しい時間ね？」
握られてた手を少しだけ緩めると、指の間に二宮先生の指が絡まって再びキュッと握られた。
真摯に向き合ってくれる二宮先生に、逃げてばかりいないで私もそうしなければならないとそっと指を曲げて二宮先生の手を握った。
「ありがとう。」
「はい？」
「初めてだなって思って。」
「？」
「Aが手を握り返してくれた事。」
「…。」
「それだけでこんなに嬉しいなんてね。」
本当に嬉しそうに微笑んだ二宮先生は、もう一度『ありがとう』って囁くとおでこにチュッとキスをして歩き出した。
さっきみたいに諭してくれる先生みたいな二宮先生は慣れてると言えば慣れてるけど、こんなに甘い二宮先生には免疫は全くないから…
「ふふふ。手があったかい。」
「だって…。」
「可愛いなぁ。」
「もぉ〜だからね？二宮先生？」
「…。」
そうだった…
ホントこの人って掴み所がないって言うか…。
「か…和也くん…//？」
「はい？何でしょ？」
にっこり笑顔を私に向ける。
「ど、どこに…？」
「あぁ。今日は癒し系のデート。」
「は？」
「どんなデートが好みかわからないし、俺もそういうの疎いから片っ端から試してみようかと思ってね？」
そう言って、木々の間の小道を歩いて森林浴をしながら行き着いたのは…
「…池…？」
水面がお日様に反射してキラキラ光って綺麗。
「うん。天気いいからボートにでも乗ろうか？」
その提案にパッと二宮先生を見れば微笑んでるだけで。
「はい！」
「あら、いいお返事。そんな嬉しい？」
「はい！」
「そんな可愛い顔で笑ってくれて俺も嬉しいよ？連れて来てよかった。」
ボートなんて小学生以来。
海と違って波のない穏やかな水面をゆっくり進みながら岸の景色を見るのが好き。
同じ地球で、同じ日本なのにまた違った世界が見えるんだ。
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たか(プロフ) - お話の続きを楽しみしています♪次回の更新までに時間が掛かっても待っていられる程、幸せな気持ちにして頂いています。そして、次回更新までに時間が掛かると知らせて下さる、しおななさんのお気遣い、見習いたいと思います☆ (2017年2月4日 9時) (
レス) id: d67dc24aa9 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ☆ミ(プロフ) - しおななちゃん、更新ありがとうございます♪ 気になるところではあるけれど、ちゃんと待ってるので大丈夫です(*´ 艸｀)たのしみにしてるね♪ (2017年2月4日 8時) (レス) id: 7140f0bb04 (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - 美紀さん» 初めましてありがとうございます。こちらこそ読んで頂けるだけでありがたいので、これからもお付き合い頂けたら嬉しいです。 (2017年2月2日 10時) (レス) id: b103358af1 (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - ヒロ☆ミさん» こちらこそありがとう。誹謗中傷したり自分の我儘押しつける事してもその自分もきっと楽しめないだろうしね。みんな仲良く楽しく妄想しましょうと提案してみただけです。 (2017年2月2日 10時) (レス) id: b103358af1 (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - おーちゃんさん» 急いのにありがとう。ここでは大人しくいますよ？(笑)私が本気で言っちゃったら大変な事になるので(笑)みんな仲良く楽しく過ごそうねぇ〜っていうのを優しく提案してみたよ。 (2017年2月2日 10時) (レス) id: b103358af1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおなな
| 作成日時：2016年11月1日 17時
