-truth- 警視庁特別取調捜査班 (ページ11)

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俺たちが本部に戻ってくると、

サポートをしていたメンバーの皆が大きなモニターの前に集まっていた。

ふと、足音に気付いた有岡さんが、俺たちに手招きをしてモニターの前に集まるように指示した。

｢…おかしい｣

モニターが見える一番前で立っていた山田さんが腕を組み、ポツリと呟く。

｢山田の言うとおり。動機が不純すぎる｣

山田さんに続けて、髙木さんも呟く。

…池垣は、取調べ中も淡々と、冷静に質問に答えていた。

そんな人が、｢ムシャクシャした｣というだけで人を殺すのだろうか。

｢調べたところ、池垣は仕事場でも真面目に働き、

同じ会社の人でも恨みを持っている人間はいない、

と、池垣の同僚に聞きました｣

俺の隣にいた中島さんが、メモを見ながら話す。

いつの間に、そんなことまで調べていたんだろう。

｢…とりあえず、池垣と小野の周りの人たちに聞き込みだ。

二手に分かれて調査してくれ｣

薮さんの指示で、

八乙女さん、中島さん、俺が小野について聞き込みを、

山田さん、有岡さん、髙木さんが池垣について聞き込みをすることになった。

残りの薮さん、伊野尾さん、知念さんは指令と情報分析。

｢取り調べだけじゃないんですね｣

｢まぁ、取り調べだけじゃ掴めないものもあるし、

聞き込みで得た情報が取り調べにも生かせるからね｣

中島さんは、紺色のスーツジャケットを羽織ながらそう言った。

同い年とは思えないほど、中島さんはしっかりしている。

｢裕翔ー、圭人ー、聞き込み行くぞー｣

部屋の入り口の前に立っていた八乙女さんが、

声を張って呼んでいる。

｢はいっ｣

中島さんはデスクに置かれていた自分のスマホをポケットに入れると、

八乙女さんのところに向かった。

｢圭人ー、まだかー？｣

｢あっ、すみません!｣

八乙女さんに急かされ、

真新しい黒のスーツジャケットとスマホを手に取り、

小走りで二人の元へと向かった。